水田のレンゲって?
水田一面にレンゲが咲いている様子を見たことありませんか?
また、なぜレンゲなの?と疑問に思ったことはありませんか?
レンゲの正式な和名は紫雲英(ゲンゲ)といって、花が咲くとレンゲ畑が紫色の雲のように見えることからついた名前です。
学術的な分類としてはマメ科ゲンゲ属の植物で、元々は中国の植物だったそうです。
では、なぜ収穫を終えた水田にレンゲばかりが生えているのでしょう?
答えは、レンゲは『緑肥』といって、植えつけられる水稲の肥料として役に立つからです。
レンゲはマメ科で、マメ科の植物の一部には、根に根粒菌という細菌が共生しています。
(写真はラッカセイ 1つ1つの粒が根粒です)
この根粒菌は、レンゲから栄養を受け取る代わりに、空気の主成分である窒素を植物が栄養にしやすい硝酸塩の形に体の中で変換し、提供しながら、お互いを助け合っているのです。
つまり、レンゲには肥料としての成分がたくさん含まれていることになります。
このレンゲを、水稲を植える前に土壌と混和すると、肥料をあたえることと同じように、土壌を豊かにしてくれるのです。
また、レンゲを混和する時期を上手に調節することで、レンゲの種が翌年まで残るので、種まきをしなくてもレンゲを楽しめます。
このように、異なる植物をお互いのために上手に組み合わせて育てる工夫は他にも見られます。
普段とは違う作物が植えられている畑を見かけた時には、その理由を考えてみると面白いかもしれません。