タマネギ栽培でのマルチについて

秋植えタマネギを栽培する場合、マルチを利用される方が多いかと思います。
マルチとは土の上に敷く農業資材全体を指す言葉で、昔は稲わらや麦わらを敷いていましたが、今はビニール製のものを使用される方が多いです。色は透明、白、黒などがあり、すでに穴があいているものなど目的によって様々なものが販売されています。

(写真はマルチを利用したジャガイモの栽培の様子)

ホームセンターには植え付け位置に穴があいたタマネギ専用のマルチも販売されています。マルチをすることによって圃場表面を覆うことができるので、雑草が生えにくくなったり、雨による肥料流亡の抑制が期待でき追肥の手間が省けたりと、省力的な栽培が可能になります。

さらに、マルチの保温効果によって低温期でも地温の確保ができるため、マルチがない場合より生育スピードが早くなり、収穫時期も早くなるといった効果が期待できます。

晩生品種のタマネギでは一般的に6月を過ぎてから収穫が始まりますが、この時期はちょうど梅雨が始まる時期でもあります。
タマネギは収穫期に雨に当たると病気やカビの被害が増えてしまうため、長期間の保存ができなくなってしまいます。マルチを張り少しでも早く収穫できるようにすることで、きれいなタマネギを長期間保存できるようになります。

このようにメリットが多いタマネギのマルチ栽培ですが、マルチを張る時と除去する時の作業は重労働です。栽培面積がそれほど広くない場合はあまり手間を感じませんが、面積が広くなるとその分必要なマルチの量も多くなり、土を覆うだけで結構な手間がかかります。また、栽培が終わった後、マルチを除去する手間やごみとして捨てる手間もかなりの重労働になります。

マルチを使うか使わないか迷ったときの判断基準のひとつが、苗の数になるのではと思います。あくまで私見ですが、苗が500本以下の場合だとマルチをした方が楽に感じますし、逆に500本を超えるようであればマルチをせずに栽培する方が体力的には楽に感じます。
ただ、マルチをしない場合は雑草管理が大変になるので、タマネギの上から散布できる除草剤(トリフルラリン乳剤やセトキシジム乳剤など)を使うのが便利です。適用方法をよく守って適切に使用すると収穫時期までほとんど雑草に困ることはないかと思います。

OATアグリオの研究所ではマルチをせずに栽培していますが、適切な時期に除草剤を処理しているので、雑草はほとんど生えていません。

最後に

今回は、タマネギ栽培におけるマルチの使用についてお話しました。
皆様の栽培環境に合わせてマルチの使用を考えてみてくださいね。