文字入りナスを作ろう

※2024年7月10日~9月10日に実施した自由研究コンテストの最優秀賞作品です。
サイト掲載にあたり、一部文言や流れの変更・画像の修正を行っております。

文字の入ったリンゴを見たことはあるでしょうか。袋を外したばかりの白いリンゴに、黒い油性ペンで文字や絵を描いた透明なシールを貼りつけます。1カ月後、赤くなったリンゴを収穫し、シールを外すと書いた文字や絵の形が白い跡で皮に残ります。これは、光がとおらなかった文字や絵の部分が白いままになることでできるようです。今回は、ナスの皮に文字をつけることができないか挑戦してみました。

準備するもの

・ナス×4本
・酢
・レモン汁
・クエン酸
・重曹
・蒸留水
・プラスチックカップ×4個
・コットンパフ
・pH試験紙

●研究のきっかけ
僕の親戚は農家ですが、形の悪い野菜は売れないので、自分たちで食べたり親戚に配ったりしています。それでも残ったら捨てるそうで、野菜がかわいそうだしもったいないなと思いました。字や絵でお客さんが喜ぶような野菜ができれば、たくさん買ってもらえて、農家の人も安心して働くことができると思いました。さらに、捨てる野菜が減って地球にもやさしいと思いました。

●予想
ナスの皮の紫色はアントシアニン系の色素であるナスニンの色。アントシアニンはpHが低い酸性だと赤に変化し、pHが高いアルカリ性だと青に変化するため、身近な酸性やアルカリ性の液体を使うことで色を変えることができるのではないか。

方法

①コットンパフを「大」の字に切る。
②プラスチックカップに酢とレモン汁、クエン酸(蒸留水に溶かす)、重曹(蒸留水に溶かす)を入れ、pH試験紙でpHを調べる。

③プラスチックカップに「大」の形のコットンパフを浸してナスに貼り付ける。
④室温で3時間置き、コットンパフを外す。

今回の結果

クエン酸水(pH2)→変化なし
レモン汁(pH3)→変化なし

酢(pH4)→皮が薄くなり、茶色っぽく変化した
重曹水(pH9)→変化なし

pH4の酢で変化があったため、クエン酸水の水の量を増やしてpH4に調整し、同じ結果になるか試してみました。

1回目の時は、酢が多すぎて垂れてしまい、裏側の色まで変わってしまったので、量を減らし、その分置く時間を12時間に増やしてみます。

クエン酸水(pH4)→変化なし
酢(pH4)→1回目より文字感が強まった。少ない量でゆっくり反応させたのが良かったのかも。今回は裏側まで垂れず、きれいなままだった。

最後に

今回の方法では、酸性でもアルカリ性でもナスの色を綺麗に変えることができませんでした。しかしながら、同じpH4でもクエン酸では変化がなく、酢では皮が薄くなるという違いがあったため、pHではなく酢と何かが反応したことが考えられました。

次はこの酢と反応したものが何かを考えるのも面白いかもしれませんね。ナスの皮に傷をつけて液を染み込ませやすくするなど、試せることもまだまだありそうです。皆さんもぜひ文字入りナスを作るにはどのようにしたらよいか考えてみてください。