四つ葉のクローバー発生の秘密
※2025年3月21日~6月15日に実施した自由研究コンテストの優秀賞作品です。
サイト掲載にあたり、一部文言や流れの変更・画像の修正を行っております。
クローバー(シロツメクサ)はマメ科の多年草植物で、野原や公園など、いろいろな場所でよく見られます。
写真のようにお皿を伏せたように一塊りになっていることが多く、ほとんどは三つ葉です。ごく稀に見つけることができる四つ葉は、その見つけにくさから幸運のシンボルにもなっています。
私は以前から四つ葉のクローバーに興味を持っていましたが、不思議なことに多くの群落はいくら探しても四つ葉は見つけられないのに、ある特定の群落には四つ葉が複数発生していて、なぜか四つ葉の近くに別の四つ葉がある場合が多いということにも気づきました。
今回は、四つ葉のクローバー発生の様子を調べ、どうすればたくさんの四つ葉を発生させられるかを考えながら、この研究を進めることにしました。


観察
➀四つ葉のクローバーが発生しやすい群落の様子を調べる
シロツメクサがたくさん生息する公園内で、特に四つ葉が多く発生する群落に着目し、写真のように4つに分割して、それぞれの四つ葉の発生状況を調べる。
今回は、7/15・8/15の2回にわたって観測。

〇観察日2024/7/15
四つ葉23個 五つ葉2個。
高い確率で四つ葉・五つ葉を見つけることができた。

〇観察日2024/8/15
四つ葉19個 五つ葉0個。
高い確率で四つ葉が発生していた。

【分かったこと】
四つ葉・五つ葉を全部取り去ったにも関わらず、1カ月後には新たにたくさんの四つ葉が発生していた。シロツメクサの群落により四つ葉が発生しやすい群落と、発生しにくい群落があると考えられる。
➁再度、四つ葉のクローバーが発生しやすい群落の様子を調べる
➀とは別の場所での四つ葉・五つ葉の発生の様子を観察する。

【分かったこと】
群落によっては1つも四つ葉・五つ葉のクローバーを見つけられなかったが、写真のように四つ葉のクローバーのすぐ近くには、なぜか四つ葉・五つ葉のクローバーが見つかることが多かった。
また、右上の写真のように1つの根から3つも四つ葉が発生しているものも見つけることができた。
【観察➀と➁から考えられること】
四つ葉のクローバーはとても珍しいものだが、四つ葉の近くに四つ葉が見つかることが多いことから、四つ葉の根に四つ葉を発生させるような情報が蓄えられているのではないかと考えられる。
➂クローバーの葉の形状と四つ葉のクローバー発生に関連性はあるか
クローバーは写真のように、微妙に葉の形状や模様が異なっている。この違いは四つ葉の発生と何か関わりがあるのかと思い調べてみた。

【観察の結果】



丸型(模様あり)のものが圧倒的に多いということが分かった。その反面葉が細長いタイプのものに四つ葉は見られなかった。理由は分からないが、葉の形状・模様と四つ葉の発生には何か関連があるものと考えられる。
➃四つ葉のクローバーをたくさん発生させられるか
四つ葉のクローバーが良く発生する群落からシロツメクサの根を採取し、その根を4つの植木鉢に移植しシロツメクサを育て、四つ葉が発生するかどうかを観察する。



根を移植してからわずか2 種間ほどで葉がたくさん出てきた。
よく観察すると、どの鉢にも四つ葉のクローバーが発生していることに気付いた。
【分かったこと】
四つ葉のクローバーが発生しやすい群落から採取した根から育てたクローバーは、通常よりとても高い確率で四つ葉になることが分かった。
→四つ葉のクローバーが発生するかどうかは、シロツメクサの根に蓄えられた情報により決まってくるのだと考えられる。その情報は代々伝えられていくのだと思う。
➄さらにたくさん四つ葉のクローバーを発生させるためにはどうすればよいか
【予想】
さらにたくさん四つ葉を発生させるためには、AからDの鉢から根を取り出し、一つの植木鉢に移し替える。そのことにより、よりたくさんの四つ葉を発生させられるのではないかと思う。
【観察の結果】

写真のようにたくさんの四つ葉を発生させることができた。四つ葉を発生させやすい情報を持った根を合わせることにより、よりたくさんの四つ葉を発生させることができるようになったのだと思う。
➅その他気が付いたこと

四つ葉のクローバーは三つ葉が四つ葉に変化するのではなく、発生した時すでに四つ葉になっていることが分かった。
また、新たに八つ葉のクローバーを発見することができた。
まとめ

① クローバー(シロツメクサ)は群落を作って生息するものが多く、その葉はほとんどが三つ葉である。しかし、特定の群落では四つ葉、五つ葉を見つけることができる。
② 四つ葉が発生しやすい群落の四つ葉を取ってしまっても、しばらくすると四つ葉が生えてくる。
③ 四つ葉・五つ葉のすぐ近くには、別の四つ葉・五つ葉が生えていることが多い。
④ ある四つ葉を辿っていくと、一つの根から複数の四つ葉が発生していることが分かった。
⑤ クローバーの葉の形状と模様を観察すると、微妙に違いがあり。全部で10種類に分類できた。
⑥ クローバーの葉のタイプの中でも、丸型(模様あり)のものが圧倒的に四つ葉になりやすかった。
⑦ 四つ葉がよく発生する群落から根を一部掘りだし、生育させると次々に葉が出て、その中には四つ葉をいくつも見つけられた。
⑧ 4つに分けて生育したクローバーの根だけを一つにまとめ生育させると、より多くの四つ葉を発生させることができた。
⑨ 四つ葉は三つ葉が変化してできるのではなく、発生段階から四つ葉であることが分かった。
⑩ 四つ葉が発生しやすい根からは、八つ葉も発生させることができた。
→結論:四つ葉が発生しやすいクローバーは、根の中に四つ葉を発生させるための情報が蓄えられている。根に蓄えられた情報は代々受け継がれていく。
最後に
四つ葉のクローバーは人に足で踏まれやすい場所でよく発生するといわれていますが、その発生のメカニズムについてはよくわかりません。しかし今回の研究を通し、四つ葉のクローバーを発生させる方法が少しわかりました。これからも四つ葉のクローバーについての秘密を解明していきたいと思いました。
おまけ


