肥料

OATアグリオは、農薬・肥料・バイオスティミュラント・システムなど世界の食糧増産に貢献する製品開発を行っている会社です。
今回のコラムでは、その製品の中の1つである肥料についてお話したいと思います。

肥料とは

肥料とは、肥料の品質の確保等に関する法律で、植物の栄養に供すること又は植物の栽培に資するため土壌に化学的変化をもたらすことを目的として土地に施される物、及び植物の栄養に供することを目的として植物に施される物と定義されています。

植物が健全に生育するための栄養をあたえるものが肥料ということですね。

肥料の歴史

日本では古くから稲作などが行われておりますが、肥料はいつ頃から使われるようになったのでしょうか。

実は、奈良時代には、レンゲソウや山野の草木を焼いた草木灰が肥料として用いられるようになっていたそうです。

その後、厩肥(うまやごえ)や人糞尿、植物油粕や魚肥などが利用されるようになり、江戸時代には、土質によって使用する肥料を工夫するようにもなりました。

このように、昔は植物由来の堆肥や動物由来の肥料が多く使われていました。これらの肥料には即効性はありませんが、土壌を改善し、土壌微生物の活性化に役立ちます。

しかしながら、三大栄養素と呼ばれる窒素、りん酸、カリウムの量が安定しておらず、経験や勘を頼りに使用するしかありませんでした。

日本で化学肥料の生産が始まったのは、明治末期の1890年代です。
化学肥料とは、無機物を原料として、工業的に作られた肥料のことです。
過リン酸石灰(Ca(H2PO4)2 )、硫安((NH4)2SO4 )が用いられるようになり、三大栄養素、窒素、りん酸、カリウムという化学肥料での考え方が広まりました。

化学肥料が発展すると、用途に合わせて三大栄養素の比率を自由に調整することが可能となり、使用時期や使用量が分かりやすくなりました。

その後、無機物にさらに化学的な操作を加えて製造する肥料である化成肥料が作られ、複数の肥料成分を均一な粒に閉じ込めたり、溶け出す割合が均一になるようにしたり、即効性・緩効性を調整できるようになりました。

肥料を使う理由

道端に咲いている草花や、山に自生している植物など、肥料を使わなくても育つ植物があるのに、なぜ栽培している植物には肥料を使う必要があるのでしょうか。

山などに自生している植物と私たちが栽培している植物の違いを考えてみましょう。

まず、自生している植物は、誰かがそこに植えた訳ではなく、自身の環境に合った場所に存在しています。周りには様々な植物が存在し、土壌養分を吸収しながら生長します。生長していく過程でできた落ち葉や枯れ木などの有機物がまた土壌養分となり、その養分を吸収して…という風に循環しています。

では、私たちが栽培している植物はどうでしょうか。

自分たちが決めた場所に種をまいて植物を育てますが、生長過程でできる落ち葉などは取り除かれることが多く、収穫後は植物体自体を処分してしまうため、土壌の養分は補給されないままとなってしまいます。

つまり、自然界と同じような物質の循環ができていないため、育て続けるほど土壌中の養分は少なくなっていくということですね。

さらに、私たちが育てている植物は、より美味しく、より育てやすく、より美しく、といった私たちの要望に合わせて品種改良された植物で、自生している植物より多くの栄養分を必要とします。

このような違いから、栽培している植物には肥料をあたえる必要があるのです。

肥料をあたえることで、十分な栄養が得られるようになれば、植物が順調に生育し、収量や品質の向上、長期的な栽培が可能になります。

最後に

今回は、肥料についてお話しました。
OATアグリオでは、家庭園芸用に使いやすい肥料も販売しております。ご興味のある方は、ぜひアグリオショップを覗いてみてくださいね。