家庭菜園における植物の病気とその対策

寒さが和らぎ、ポカポカとした陽気を感じる日が増えてきましたね。
これからの季節は家庭園芸で育てられる作物が一気に増えます。「今年はどんな野菜を育てようかな?」「お庭をどんなお花でいっぱいにしようかな?」と計画を立てている方も多いのではないでしょうか。

しかしながら、暖かくなって元気になるのは植物だけではありません。植物にダメージをあたえる「病原菌」たちも活発になります。せっかく愛情を込めて育てた作物が、収穫直前や満開の時期に病気でダメになってしまう……そんな悲しい思いはしたくないですよね。

今回は、これからの季節に知っておきたい「病気の防ぎ方」についてお話しします!

植物の病気の3つの原因

病気の発生には「主因(しゅいん)」「素因(そいん)」「誘因(ゆういん)」という3つの原因が深く関わっています。少し難しそうな言葉ですが、人間の風邪に例えるととても簡単です。

主因(病原菌): 病気の直接的な原因となる「カビ」「細菌」「ウイルス」のことです。例えば、人間でいうところの「風邪のウイルス」そのものです。

素因(植物の性質): 植物自身の「病気に対する抵抗性」のことです。人間でも、免疫力が落ちていたり、もともと体が弱かったりすると風邪を引きやすいですよね。植物も同じで、品種や育て方によって病気に対する抵抗性が異なります。

誘因(環境): 植物を取り巻く「環境」のことです。人間なら「寒くて乾燥した部屋」にいると風邪を引きやすくなります。植物の場合は、「ジメジメした湿気」や「日当たり不足」などが病気になりやすい環境となります。

重要なのは、「この3つの要素がすべて揃ったときに初めて病気が発生する」ということです。逆に言えば、どれか一つでも欠ければ、病気は起きにくくなるのです。

3つの原因に対する対策

病気の発生条件が分かったところで、それぞれの原因に対する具体的な対策を見ていきましょう。

「主因(病原菌)」への対策:病原菌を減らす・近づけない!

◇予防的な殺菌剤の使用
1~2週間に1回程度、菌から植物を守るために殺菌剤を使用しましょう。使用するときは、製品のラベルに記載されている通りに使用します。

◇病気の葉や花、果実はすぐに処分
病気にかかった葉や花、果実を見つけたら、すぐに取り除いてください。地面に落ちた枯れ葉もこまめに掃除することで、菌の増殖と二次的な感染を防げます。

◇雑草を抜く
雑草が病原菌の隠れ家になることもあります。周りの草取りも立派な病気対策です。

「素因(植物の性質)」への対策:菌に対する抵抗性を高める!

◇病気に強い品種を選ぶ
最近は「うどんこ病に強い」など、病気に対する抵抗性を高めるために品種改良された種や苗がたくさん販売されています。初めての方は、こうした「抵抗性品種」を選ぶと心強いです。

◇肥料は適量を守る
肥料(特に窒素分)をあたえすぎると、軟弱になって病気にかかりやすくなります。肥料のラベルの通りに、適切な施肥を心がけましょう。

◇植物活力材をあたえる
植物自体が持つ抵抗力を高める活力材をあたえましょう。

◇連作をさける
毎年同じ場所で同じ科の野菜(ナス科など)を育てると、生育が悪くなり病気になりやすくなります。プランターなら土を替える、畑なら場所をローテーションさせましょう。

「誘因(環境)」への対策:快適な環境を整える!

◇風通しを良くする
多くの病原菌は湿気が大好きです。苗と苗の間隔を広めにとり、茂りすぎた葉は少しカット(剪定)して、風の通り道を作ってあげましょう。

◇水やりは「株元」へ
葉や花、果実に上から水をかけないようにしましょう。むやみに湿度を上げず、泥はねを防ぐことで菌の増殖を防げます。

よく見られる植物の病気

春に植える作物の中で、代表的なものの写真をお示しします。これ以外にも、育て方ページに各作物の病気を記載しております。

最後に

「主因・素因・誘因」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、簡単にまとめると「菌を減らし、丈夫に育て、環境を整える」という3つのバランスが大切だということです。

これら全てを完璧に行う必要はありません。「殺菌剤をまいてあげよう」「病気に強い苗を買ってみよう」「風通しを意識してみよう」など、できることから一つずつ取り入れてみてください。

作物たちが元気に育ってくれれば、収穫の喜びも、お花の美しさも倍増します。
ぜひ、これからのシーズン、病気対策を頭の片隅に置いて、植物との暮らしを楽しんでください!

また、アグリオ栽培メディアでは春~夏の栽培に適した作物を紹介しています。ぜひご覧ください。