春のハクサイ栽培
はじめに
ハクサイは秋から冬に栽培する方が多いかと思います。しかしながら、できるだけ長く食べようと、冬にできたハクサイを畑に置いたままにしておくと、気温の上昇とともにトウ立ち(抽苔)して花が咲いてしまいます。
これはハクサイの特性によるものなので、どうしようもないと半分諦められている方もいるのではないでしょうか。
では、春以降にハクサイを収穫できないのか?ということで、いろいろ調べてみました。
すると、栽培方法を工夫することで、春にハクサイを収穫できるような栽培が可能だということがわかりました。
タキイ種苗さんの「無双」という品種の種袋の裏を見ると、2月播種、3月定植で5月下旬の収穫という作型があり、タキイ種苗さんのホームページによると、以下のような記載がありました。
ハクサイは種が発芽すると低温に反応するようになり、その後花芽が分化してトウ立ちする性質(種子春化型)があります。
花芽分化を引き起こす気温は3~13℃で、約10日間低温にあたると花芽が分化します。
ということで、普通に苗を作って寒い時期に定植してもきれいなハクサイを作ることはできず、トウ立ちしてしまうようです。そのため、低温期はトンネルを利用して気温を確保する必要があります。
そこで、早春にトンネルを利用してハクサイを栽培できるか、実際に試してみました。
定植(2025年3月15日)
「無双」を2月中旬にハウス内に播種して、3月15日に圃場に定植しました(下図)。
手前の3株は農業用のトンネルで覆い、他は比較のためにトンネルをせずに栽培することにしました。

定植3週間後(2025年4月5日)
トンネルをしたハクサイは保温されているため、やはり生長が早いです。
こうしてみると生育差が大きいですね。

定植6週間後(2025年4月26日)
トンネルをしている方は結球し始めています。トンネルをしていない方も生育は進んでいますが、結球にはもう少し時間がかかりそうです。4月も下旬となり、最低気温も13℃以下になることはなさそうなので、トンネルは除去することにしました。

定植9週間後(5月18日)
トンネルあり(左)は収穫できましたが、トンネルなし(右)は結球しきれずにトウ立ちしてしまいました。中央から花芽が出ています。

最後に
トンネルを利用した栽培によって、無事春にハクサイを収穫することができました。半分に切ってみると、中心部がややとがっていて花芽のもとができているような気もしますが、結球はしており葉数も確保できました。

低温期にトンネルをせずにハクサイを栽培すると花芽ができてトウ立ちしまうというのは本当のようでした。トンネルをするのは少し手間ですが、これで春にもハクサイを作って食べることができるようになります。
みなさんも一度試してみてはいかがでしょうか?
作成者:アグリテクノ研究所 所長 H

