トマトのいろいろな不良果

今回は栽培ブログに掲載している内容(「いろいろな不良果➀」)のご紹介です。

トマトの栽培を終了しました。現在は9月定植予定の次の作付けに向けて、準備をしているところです。

今回のブログではちょっと恥ずかしいですが、1月定植から7月終了までの栽培で見られた不良果について紹介したいと思います。

不良果の一覧と発生率がこちらになります。不良果の種類が多いため、2回に分けて不良果を紹介したいと思います。

発生頻度が割と多い不良果です。小さな亀裂であれば問題ありませんが、上の写真のように大きく割れてしまうと見た目や亀裂から汁が垂れるといった問題が生じます。

高温や強日射などにより発生しやすい不良果です。放射状裂果にお困りの際はOATのビープラスをご使用になることをおすすめします。

こちらも発生頻度が割と多い不良果です。発生メカニズムが少し異なる裂果です。昼夜の温度変化が大きい場合や、直射日光、土壌水分の急激な変化などが原因となります。

花の発達段階で果皮となる子房壁に異常が生じた場合に発生します。低温環境などで発生率が上がるといわれています。

乱形果と呼ぶこともありますが、私たちは花落ち部が大きく残ったものをまとめて花落ち果と呼んでいます。花芽分化期の栄養過剰により、子房の心皮数や子室数が増加した花(鬼花)ができることなどが主な原因です。

大きなトマトはそもそも花落ち部も大きくなる傾向があります。今回の試験での選果基準は厳しすぎたため、次回は基準を緩める予定です。

日照不足や、果実数が多すぎた場合、果実へ転流する同化産物が減少し、ゼリー部分の発達が悪くなることで発生します。主に冬場などの日照量が少ない時期に発生しやすいのですが、夏場の高温対策に苦肉の策で行った遮光カーテンが原因なのか、夏場にも一部発生してしまいました。

以上、いろいろな不良果①でした。

あまりに果肉が少なくなってしまった空洞果は、食感が悪くなるため食味も劣りますが、その他の裂果、チャック果、花落ち果は食味に全く問題ありません。スーパーで見かけても安心してご購入ください!

これらの不良果が発生しにくい管理方法を皆様にご紹介できるよう、これからも研究に励みたいと思います!