稲作

稲作とは、文字通りイネを栽培することです。
イネは普段私たちが食べているお米となる作物です。
お米は毎日のように食べている方が多いと思いますが、稲作についてご存知の方は少ないかもしれません。
今回は、そんな稲作についてお話してみようと思います。

稲作の歴史

まずは、稲作の歴史から見ていきましょう。

現在日本で食べられている「ジャポニカ米」の栽培は中国で始まり、日本には縄文時代の終わり頃に伝わったと言われています。
その後、弥生時代には日本各地に稲作が伝わり、木鍬(こくわ)や木鋤(こすき)を使って田んぼを耕したり、木臼(きうす)と竪杵(たてぎね)で脱穀を行ったり、収穫物の貯蔵も行われていたそうです。
弥生時代からこれだけの道具を使った稲作が行われていたと考えるとすごいですね。

古墳時代には水路の整備が行われ、大きな田んぼが作られるようになります。
鎌倉時代以降に品種への関心が高まり、江戸時代には品種改良まで行われるようになったそうです。しかしながら、災害や病害虫に対する対策はまだほとんど無く、凶作に陥ることも多くありました。

現代では、災害に対する知識が増え、農業機械や農薬、肥料の導入も行われたことで、安定的な生産を行うことが可能になりました。

縄文時代から現代まで、稲作の技術は発展し続けてきたのですね。

稲作の流れ

そんな稲作では、実際どのようなことが行われているのでしょうか。

地域によって時期は少しズレますが、4月頃から「種選び」が始まります。塩水につけて種が沈むかを調べることで、中身が詰まった種を選別します。
選別した種を消毒して袋に詰め、そのまま水に浸けて数日様子を見ます。
水の中で少しだけ芽が出たのを確認できれば、育苗箱にまき、育苗を行います。

5月下旬頃には、苗を植える準備として、田んぼで「代かき」と呼ばれる作業が行われます。土を掘り返してならすことで、土中の有害ガスが抜ける他、粘土層を均一にして、田んぼにしっかり水が溜まる状態にします。

この代かきが終わればようやく「田植え」です。苗を植える間隔が狭すぎるとイネが多くなりすぎて栄養が足りなくなり、遠すぎるとイネをあまり植えられず収穫量が少なくなってしまいます。そのため、一般的には15~18cmの等間隔で植えます。

田植え後は、農薬を使用することで、病気や虫、雑草からイネを守ったり、根腐れを起こさないための水管理などを行ったりしながら、様子を見続けます。

無事に育てば、9月下旬~10月上旬に収穫です。コンバイン等の機械で収穫する場合は、乾燥機にかけ、その後精米機にかけることでようやく見慣れた白い米ができます。

収穫を終えたら来年の4月までお休み、という訳ではなく、次の栽培のための土づくりなどが行われます。田んぼの土をしっかりと乾かし、春になれば肥料を混ぜながら土を掘り起こす「田起こし」を行います。

イネを作るには、1年中作業が必要なのですね…。農家さんには感謝しかありません。

最後に

今回は、稲作についてお話しました。
イネの栽培に興味のある方は、「育て方」にバケツを使って稲作を経験できる「バケツイネ」の栽培方法をまとめていますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。