バケツイネ
※野菜ではありません

バケツイネとは「バケツで育てるイネ」のことです。バケツの中に小さな田んぼの環境を作って稲作を体験することができます。私たちの主食であるお米がどのように育つか、庭やベランダで観察してみましょう。収穫したお米はバケツ1つでお茶わん約1/3 ~1杯になります。

難易度

基本情報

科名属名
イネ科イネ属
収穫までの期間
5~6カ月
生育適温
平均25℃前後(昼と夜の寒暖差が大きいと、甘みがあり美味しくなります)
植え付け時期
5~6月​
栽培スペース
バケツに9株
水やり
乾き気味
たっぷり水やり
栽培暦

準備と植え付け

準備するもの

苗の準備と植え付け

植え付け時期 5~6月頃
  • 01

    植え付け①

    10Lのバケツに土8Lを入れます。
    田んぼの土を使う場合は、バケツに半分ほど田んぼの土を入れた後、元肥としてパラっと有機元気野菜を入れ、その上に残りの土を入れます。肥料成分が入っている水稲育苗用培土を使う場合は、元肥は必要ありません。

  • 02

    植え付け②

    土から水深5cmほどになるよう、水を流し込みます。

  • 03

    植え付け③

    苗を3か所それぞれに、3株ずつまとめて植え付けます。イネが倒れないよう、人差し指の第2関節(約5㎝)ほど土の中に差し込むように植えましょう。

  • 04

    植え付け④

    風通しがよく、日の当たる場所に置きましょう。

栽培

  • 01
    水管理(7月中旬:中干しまで)

    常に水深5cmを保つようにバケツに水を入れます。

  • 02
    中干し(7月中旬頃)

    田植えの約1カ月後、稲の背丈が50cm程で、茎数が20本程に増えた時期に中干しを行います。バケツの水をすべて捨てて3日ほど乾かします。土の表面にヒビが入り、バケツと土の間にすきまができたら、中干しは完了です。再度、水深5cmを保つようにバケツに水を入れます。

  • 03
    追肥(7月下旬頃)

    葉が黄緑色の場合、追肥をあたえます。
    粒状肥料の場合は、パラっと有機元気野菜を、約1g/バケツまきます。液体肥料の場合は、ジャストワン液肥を50ml​入れます。葉色が緑色になるまで1週間に1回の頻度であたえます。

  • 04
    水管理(8月中旬以降:中干し以降)

    追肥中干しが終わった頃から、追肥幼穂ができて茎がふくらみ始める穂ばらみ期に入ります。しばらくすると穂が出ます。穂が出た後は水深3cm程度に減らし、水がなくなったら3cm程度足すということを繰り返します。

    イネの生育期間中で最も水管理が大切な時期です。この時期に水切れを起こすと穂が出にくくなる場合があるので、注意が必要です。

バケツイネの栽培の様子は、以下のページに掲載しています。

栽培の際の注意点

水管理の大切さ

  • 植え付けの際や栽培初期、苗が完全に水に浸かってしまうと枯死してしまいます。植え付けは深く植えすぎないよう注意し、深さ5㎝ほどに植え付けます。水深5cmでも苗が完全に水に浸かってしまうようなら苗の高さの1/3以下に水を減らすか、苗が小さすぎる場合は苗の高さが15㎝ほどになってから植え付けを行いましょう。
  • 背丈が伸びてきたら、中干しまでの間は2日に1回の頻度で水を足して水深5cmを保ちましょう。

収穫

稲刈りの準備(10月初旬)
稲刈りの10日程前からは水抜き作業をして、土を乾かしておく必要があります。バケツの水を捨てて乾かし、稲刈りまでにカラカラの状態になっているようにしましょう。

稲刈り(10月中旬頃)
穂が出てから1カ月半ほどたち、黄金色になったら稲刈りを行います。ハサミで稲は根元でザックリと刈り取ってください。

乾燥
刈りとった稲は縛って、穂を下にして風通しのよい場所で10日ほど干しましょう。

脱穀ともみすり
牛乳パックの口や茶わんを使って、もみの部分をこそぎ落します。脱穀したもみをすり鉢に入れて、軟式野球ボールで下の方から少しずつ上に回しながらすると、もみが外れます。

監修者情報

坂さん OAT研究員

徳島県鳴門市生まれ
京都工芸繊維大学繊維学部高分子学科 卒業
大塚化学(株)に入社し、技術部農肥技術課、栽培研究センター研究員、四国出張所所長を歴任。
現在はOATアグリオ(株)研究開発部 肥料・BSグループリーダーとして活躍中
主な業務は肥料やバイオスティミュラント(BS)資材の新製品開発
趣味は釣りひとすじ

三好さん OAT研究員

香川県東かがわ市生まれ
新潟大学大学院自然科学研究科 修了
大塚化学(株)に入社し、肥料開発や栽培技術開発に従事
その後、同社鳴門研究所安全性研究室 研究員や(株)養液土耕研究所 代表取締役社長などを歴任
現在はOATアグリオ(株)栽培研究センターのセンター長として活躍中
趣味は釣りとゴルフ

よくある質問

  • Q

    田んぼの土やイネの苗はどこで手に入れられますか?

    バケツ稲で使う少量であれば、水田が周囲にある場合、農家さんから田んぼの土や余った苗を譲っていただけるかもしれません。最近はネットショッピングサイト(アマゾン、楽天市場など)でも、バケツ稲にちょうどいい少量の田んぼの土や苗が売られています。田んぼの土は荒木田土という名前で売られていることもあります。また、市販されている玄米のうち胚芽が残っているものであれば、吸水・発芽させて種としてイネを育てることも可能です。その場合は、自分で楽しむ分に限りましょう。

  • Q

    中干しは何のためにやるのでしょうか?

    健康で丈夫なイネを育てるためです。水を抜いて土を乾かすこととで、根は土の中の水を求めて根張りがよくなります。それにより栄養の吸収度も上がるといわれています。また、土が乾く事で空気が入るため根が酸素を取り入れやすくなります。分げつの発生を抑制し、過繁茂を防ぐことにもつながります。

出やすい病気

更新日時: 2022/08/16