ダリア

豪華で力強い大輪種から優雅で可憐な中輪種や小輪種といったバラエティに富んだ春植え球根です。栽培は比較的容易で開花期が長いので、じっくりと愛情を注ぎながら花を楽しむことができます。

難易度

基本情報

科名属名
キク科テンジクボタン属(ダリア属)
開花までの期間
1~2カ月
生育適温
15~25℃
植え付け時期
3月下旬~7月中旬
栽培スペース
超大輪・大輪種は8〜10号鉢に球根1個
中輪・小輪種は5〜7号鉢に球根1個
水やり
乾き気味
たっぷり水やり
栽培暦

準備と植え付け

準備するもの

苗の準備と植え付け

植え付け時期 3月下旬~7月中旬頃 
気温が20℃ぐらいになる頃が適期です
  • 01

    植え付け①

    鉢に鉢底ネットを入れ、鉢の真ん中に支柱を立て、鉢底石を多めに敷き、培養土を3分の2くらいまで入れます。この時、 元肥として パラっと有機彩り草花を20 g程度混和します。

  • 02

    植え付け②

    発芽点が上向きになるよう球根を寝かせて置き、土を被せます(小・中輪種は5 cm程度、大輪種は10 cm程度)。
    鉢の側面に沿って四角く等間隔に支柱を4本立てます。

  • 03

    植え付け後

    鉢底から水が出るまで、たっぷりと水やりします。ただし、水のあたえ過ぎで球根が腐るおそれがあるため、植え付け後に水やりをした後は、発芽するまで水やりを控えます。
    風通しが良く日当たりの良い場所に置きましょう。

栽培

  • 01
    水やり

    土の表面が乾いたら、底から水が出るくらいたっぷり株元に水やりします。1日1回を目安に、午前中のうちに水をあげましょう。ダリアは高温多湿を嫌うので、水のあげ過ぎと水やりのタイミングは注意します。

  • 02
    支柱立て

    球根の植え付け時に支柱を立てておきます。
    ダリアは、草丈がかなり伸びるので支柱が必要です。
    草丈が20 cm程度に伸びたら、支柱と茎を麻ひもや誘引用テープなどで8の字に結んで固定します。人差し指が入るくらいゆるく結びます。花が咲くころに茎が太るので、ひもがきつくなってきたら結び直します。

  • 03
    仕立て方(小・中輪種の場合)

    主枝が5~6節に伸びた時、下から3節を残してそれ以上は 摘芯します。芯を止めるとわき芽が発達するので5~6本の側枝となります。小輪・中輪種では、主枝ではなく側枝に花を咲かせて楽しみます。1番花が咲くまで、側枝わき芽は2節ほど残しそれ以上は早めにかき取りながら枝を伸ばします。側枝がある程度伸びたら、鉢植えの側面に沿って4本の支柱を四角く等間隔に立てて側枝誘引します。
    側枝に残したわき芽も同様の方法で伸ばすと2番花が咲きます。


  • 04
    仕立て方(大・超大輪種の場合)

    主枝が5~6節伸びた時、下2節のわき芽を残し、それ以上の節のわき芽はかき取り1本の主枝から1番花を咲かせます。花を観賞したり切り花にしたりして楽しんだ後は主枝を3節まで切り戻します。
    下2節のわき芽側枝となり伸びてきたら、鉢植えの側面に沿って4本の支柱を四角く等間隔に立てて側枝誘引します。側枝わき芽を下2節ほど残してそれ以上の芽は早めにかき取りながら枝を伸ばし2番花を咲かせましょう。


  • 05
    切り戻し

    春先に植え付けて夏前に花を楽しんだ後は、秋に花を咲かせるために、下から3~4節を残してその上を切断します。切り口に雨水が入ると腐ってしまうので、アルミホイルなどで雨よけキャップをしておきます。約1カ月後に わき芽が出始めるので、各種に応じた仕立て方をすると、10月頃から霜が降りる頃まで咲き続けます。

  • 06
    追肥

    2週間に1回の頻度で、 ジャストワン液肥100倍希釈液をあたえます。

ダリアの栽培の様子は、以下のページに掲載しています。

栽培の際の注意点

植え付け個数と株間

  • ダリアは1鉢に1個が原則です。花壇に植える場合も、株間は30 cm以上開ける必要があります。
  • 十分な大きさのプランターに余裕をもって植えるようにしましょう。

花がら摘みを忘れる

  • しぼんだ花や咲き終わった花をそのままにしておくと、新しい花がつきにくかったり、病気やカビの原因にもなったりするため、花がら摘みをしましょう。花がら摘みの際は花びらだけでなく、ガクごと切り取ります。

水のやりすぎ

  • ダリアは高温多湿に弱いので、水のやり過ぎには注意します。涼しい朝の時間帯に地表面が乾燥していたらたっぷり水をあげれば十分です。

切り花を長持ちさせるコツ

  • 切り花にするときは、茎を斜めに切り、水を吸い上げる面が多くなるようにします。花瓶に挿す際は、水につかってしまう部分の葉やつぼみは剪定することで、花瓶の水を清潔に保つことができます。
    切り花を入れた花瓶を置く場所は、直接日光の当たらない風通しの良いところが好ましいです。日光や風が直接当たると花が痛む原因になります。また、気温の高いところだと水の中に細菌が繁殖してしまいます。
    花瓶に切り花ながもち液美咲50倍希釈液(10ml/水500ml)を入れると、水の入れ替え頻度を少なくできて花も長持ちするようになるのでオススメです。

開花

監修者情報

坂さん OAT研究員

徳島県鳴門市生まれ
京都工芸繊維大学繊維学部高分子学科 卒業
大塚化学(株)に入社し、技術部農肥技術課、栽培研究センター研究員、四国出張所所長を歴任。
現在はOATアグリオ(株)研究開発部 肥料・BSグループリーダーとして活躍中
主な業務は肥料やバイオスティミュラント(BS)資材の新製品開発
趣味は釣りひとすじ

三好さん OAT研究員

香川県東かがわ市生まれ
新潟大学大学院自然科学研究科 修了
大塚化学(株)に入社し、肥料開発や栽培技術開発に従事
その後、同社鳴門研究所安全性研究室 研究員や(株)養液土耕研究所 代表取締役社長などを歴任
現在はOATアグリオ(株)栽培研究センターのセンター長として活躍中
趣味は釣りとゴルフ

よくある質問

  • Q

    冬になったら球根は必ず掘り上げて保管すべきですか。

    霜が降りる地域は、掘り上げましょう。霜が降りない地域であれば、そのまま植えて置いても問題ありません。春になったらまた芽が出てきます。

  • Q

    掘り上げるタイミングはいつが良いですか。

    霜が降りる前に掘り上げるのがベストです。霜や雪などで茎が凍傷にかかると、球根が使えなくなるため、11~12月の葉が薄くなってきた頃に掘り上げるとよいでしょう。ただし、霜が降りない地域では掘り上げなくても大丈夫です。

  • Q

    球根はどのように掘り上げますか。

    茎を地際から10 cm位残してその上部を刈り取ります。この時、茎を絶対に折らないよう気を付けます。スコップを株の周期に円形に挿しこみ、球根本体を傷つけないように根ごと掘り上げます。手を添えスコップを深く斜めに差し少しずつ持ち上げるときれいに掘り上げることができます。

  • Q

    掘り上げた球根はどうやって保管すればよいですか。

    掘り上げた球根を軽く水洗いし、日影に3日間程度おいてから木箱や段ボール箱に移し替えます。球根にとって5℃以下の低温、過度な乾燥は枯死や腐敗につながります。箱に土を混ぜたもみ殻やピートモス等を詰めて球根をそっと埋めておきます。家の中に置く場合は直射日光の当たらない場所に置きましょう。屋外であれば、球根に土をかぶせた後、上からビニールで覆い雨水が入ってこないようにします。温度が5~7℃の所に置くようにしましょう。

更新日時: 2022/08/17