パッションフルーツ

家庭菜園でも栽培できるパッションフルーツ。酸味と甘さが程よく、南国の香りも楽しめます。そのまま食べても、料理に使っても美味しく食べられます。

難易度

基本情報

科名属名
トケイソウ科トケイソウ属
収穫までの期間
受粉から約2カ月
生育適温
20~30℃
植え付け時期
4~5月(遅霜の心配がなくなった頃)
栽培スペース
10号鉢(30cm)に1株
水やり
乾き気味
たっぷり水やり

夏場はたっぷり水やり(水切れに弱い植物です)

栽培暦

準備と植え付け

準備するもの

苗の準備と植え付け

植え付け時期 4~5月
遅霜の心配がなくなった頃
  • 01

    植え付け①

    パッションフルーツは肥料を多く必要とする作物で、とても大きく育つため、大きめの10号鉢(30cm)に1株植え付けます。

  • 02

    植え付け②

    鉢底に排水用の 鉢底石を敷いてから有機質を多く含む元肥入りの培養土で育てます。赤玉土を2~3割混ぜると水はけの良い土になります。

  • 03

    植え付け③

    できるだけ大きく育った苗を選び、遅霜の心配がなくなった頃に植え付けます。

  • 04

    誘引

    つる性の植物ですので、つるを誘引するために鉢植えの場合はリング支柱を立て、グリーンカーテンにする場合はネットを設置して這わせて栽培します。花は側枝につくので、収穫が終わるまではなるべく剪定は控えます。

  • 05

    植え付け後

    風通しがよく、日の当たる場所に置きます。

栽培

  • 01
    水やり

    パッションフルーツは乾燥に弱い植物です。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出る位たっぷりと水やりをします。気温が高くなるにつれて株の生育が旺盛になるので、日によっては2~3回水やりをします。真夏の乾燥する時期に果実が成熟するので、地植えの場合も乾燥には注意します。市販の自動潅水装置を使うことで水やりの回数と水量を簡単に調節することができます。これで水やりが楽になります。

  • 02
    追肥

    植え付け3~4週間後から追肥を行います。
    肥料の効果が2~3カ月持続する緩効性の肥料を25g/株あたえて、株を大きく生長させます。
    株がある程度の大きさに生長し、主枝のつるが伸びてきたら、2週間に1回の頻度でジャストワン液肥100倍希釈液をあたえます。
    また、花芽の充実のため、2週間に1回の頻度でホスプラス1000倍希釈液をあたえます。開花期は、高温ストレス対策に 鉄力トレプラス1000倍希釈液を、収穫期が近づいたら品質向上のため、カルプラス1000倍希釈液を2週間に1回の頻度であたえます。

  • 03
    摘芯と枝の仕立て

    親づるが50~100cmほど伸びたら先端をカットします。先端をカットすることでわき芽が伸びて枝張りが良くなります。カットした先端から3~5本のわき芽を育てます。それ以外のわき芽は掻き取ります。枝(わき芽)は上へ伸びようとしますので、リング支柱に巻き付けます。グリーンカーテンの場合は横へ倒してネットに誘引します。

  • 04
    授粉

    確実に結実させる方法として、人工授粉があります。パッションフルーツが開花したら、筆や綿棒などを使って雄しべから黄色花粉を採取し、先端から3つに分かれている雌しべにそれぞれ花粉を擦り付けます(ひとつだけで良い)。果実のつきが悪いときは、より果実のつきがよくなる肥料をあたえてください。窒素成分はつるや葉の茂りをよくする効果がありますが、一方であたえすぎると実つきが悪くなることがあるため注意が必要です。

パッションフルーツの栽培の様子は、以下のページに掲載しています。

栽培の際の注意点

たくさん実らせたいなら、春先に見つけた蕾は取っておく

  • パッションフルーツの開花期は、6~7月と9~10月頃です。この時期にしっかりと受粉させるとたくさんの実を付けることが出来ます。春先に寒暖差から来るストレスで花を咲かせることがありますが、この時期に受粉させると枝数が少なく、実の数も少なくなるので、蕾は取っておきましょう。

越冬させる場合は冬の対策をしっかりと

  • パッションフルーツの葉は、霜に当たると葉焼けを起こして落葉します。氷点下になると茎まで凍ることがあります。茎が凍ると株全体が枯れてしまいます。それを防ぐためには、できるだけ耐寒性のある品種を選定し、茎をビニールで巻いたり、株元に藁を敷き、鉢全体をビニールで巻いたり、霜が降りないように樹全体に防霜シート掛けたりします。鉢ごと移動させることが出来る場合は、秋に伸びた枝葉を剪定し、鉢の底から出た根を切ります。日当たりの良い氷点下にならない室内で管理します。

植え替えで翌年もたくさん果実を実らせよう

  • パッションフルーツは肥料を多く必要とする作物で生育が旺盛なので、1年も育てると根詰まりを起こしやすくなります。そのため、1~2年に1回を目安に植え替えが必要になります。植え替えは、3月下旬~4月下旬に現在の鉢サイズより1回りか2回り大きな鉢に植え替えます。新しい鉢底石を敷いて、土も新しいものを入れます。そうすることでまたたくさんの果実を成らせることが出来ます。

収穫

紫色系統のパッションフルーツの果実は、開花してから約45日で成熟し、開花から大体65日くらいで緑色から濃い紫色になります。完全に熟した状態になると果実全体が赤紫色になり、果実の表面がツルツルになって来ます。これが収穫の目安です。収穫したてはまだ酸味の方が強いですが、室内で追熟させると果実の表面がシワになり、より甘味を感じられるようになります。

よくある質問

  • Q

    パッションフルーツの受粉方法を教えてください。

    6月に入るとパッションフルーツの開花が見られるようになります。気温が25℃ぐらいになると一斉に花が咲き始めます。6月から7月は毎日受粉作業を行います。パッションフルーツは「1日花」なので、その日しか受粉作業が出来ません。パッションフルーツの受粉方法は、雄しべの裏側の受粉を、雌しべ の裏側に付着させることです。その際、指で付けてもよいですし、筆を使ってもOKです。受粉の際の注意点は、開花直後の雌しべは立っているので、しっかり雌しべが寝てから受粉させます。

  • Q

    パッションフルーツはどうやって食べたらよいですか?

    1番簡単なのは果実を2つに切ってから、スプーンで種ごと中身をかき出して食べてください。その他にそのまま飲み物に入れたり、アイスなどのデザートに合わせたりしても美味しくいただけます。

  • Q

    パッションフルーツの食べ頃は?

    果実全体がまんべんなく色づき、甘酸っぱい香りのするものがよく熟している状態です。果実表面に少しシワが入る頃が酸味も抜けて甘みが増して美味しいです。

  • Q

    果実が完熟せず、未熟のまま落ちてしまいます。どうしてですか?

    未熟な果実が急に落ちてしまうことがありますが、この原因は乾燥か、たくさん果実が成り過ぎたかのどちらかと考えられます。夏場は特に乾燥しないようにたっぷりと水をあたえてください。また、果実がたくさん成っている場合は追肥をしっかり行い、液体肥料のジャストワン液肥をあたえるなど養分を適宜補ってください。

  • Q

    パッションフルーツの葉柄(ようへい)や蕾を触るとべとべとするのなぜですか?

    昆虫を誘き寄せる為の甘い蜜を出す蜜腺があります。葉の付け根や花芽の萼(ガク)の縁に蜜腺があります。身近な昆虫ではアリがよく上ってきて蜜を運んでいます。しかしながら、花の中には蜜腺がないので、残念ながらアリは受粉にあまり貢献していません。

出やすい病気

更新日時: 2022/08/17