カボチャ

栄養価が高く、保存性の良い緑黄色野菜。カボチャは大きく分けると3種類あり、私たちがよく手にしている西洋カボチャの他、日本カボチャやペポカボチャがあります。見た目や味も様々なので色んな種類を育ててみましょう。

難易度

基本情報

科名属名
ウリ科カボチャ属
収穫までの期間
3~4カ月
生育適温
15~25℃(発芽適温25~30℃) 
植え付け時期
播種後1カ月程度、露地栽培の場合は地温がしっかり上がってから
栽培スペース
露地栽培の場合、幅2〜3 m、株間70~80 cm
水やり
乾き気味
たっぷり水やり
栽培暦

準備と植え付け

準備するもの

苗の準備と植え付け

  • 01

    播種

    ポットに野菜用の培養土を9分目くらいまで入れ、種を3粒まきます。1 cmくらいの深さにまで種を押し込み、周りの土を指で集めて覆土し、上から軽く押さえて、種と土を密着させるようにします。水をたっぷりあたえて、発芽適温に保ったハウス内や育苗器内で育てます。子葉展開したら1本に間引き、本葉が3〜4枚程度に展開するまで生育させます。それ以上の老化苗は定植後の生育が良くないので注意します。
    ポット苗を利用すると簡単に栽培できます。

  • 02

    畑の準備

    定植2週間前に苦土石灰を100g/m²まいて耕し、定植1週間前にはパラっと有機元気野菜を160g/m²あたえ、トンネルやマルチをかけて地温を15℃以上確保します。

  • 03

    定植

    定植時期の気温の目安は、最低気温が8〜10℃、最低地温が12℃以上です。定植の前に苗に水をたっぷりとあたえ、晴天無風の日の午前中に定植します。株間を空けて植穴を掘り、適切な定植時処理の薬剤を入れて、株元が少し盛り上がる程度にやや浅植えします。ポットの培地と土をなじませるために株周りに軽く水やりします。その後、保温や防除対策のためにあんどんをします。

栽培

  • 01
    水やり

    露地栽培の場合、マルチ等をしていれば、水やりを行う必要はありませんが、晴天が続くようなら様子を見て株元にあたえましょう。

  • 02
    摘芯誘引

    本葉が5~6枚程度展開したら本葉を残してつる(主枝)の先端を摘芯します。その後、伸びてくる子づるから元気なものを2~4本残して、残りの子づるは除きます。結実させるまでの孫づるは取り除くと良いです。それぞれのつるが絡まないようにつるの先端付近をU字ピン等を使用して留めてあげます。




  • 03
    授粉

    花の根元(花弁の下)に丸い実がついたものが雌花で、ついていないものが雄花です。雄花から花弁を取り除いて雄しべをむき出しにし、雌花の雌しべに軽く擦りつけて花粉をつけます。着果は、中型のカボチャは10〜13節以降、バターナッツは7節目あたりから、小型カボチャは気にする必要はありません。

  • 04
    追肥

    1番果が握りこぶし大になったらパラっと有機元気野菜株元に20 g/m²あたえます(つるの伸びが旺盛、葉の色が濃い場合はさける)。

  • 05
    玉直し

    果実がある程度大きくなったら、マルチに水が溜まったり、土汚れが付着すると果実が傷んだりする原因になるので、果実の下にやさいマットを敷きます。

カボチャの栽培の様子は、以下のページに掲載しています。

栽培の際の注意点

追肥のタイミング

  • 追肥は1番果がこぶし大になった頃に行います。果実が出来る前に追肥を行ってしまうと、生殖生長(花や実の生長)でなく栄養生長(葉や茎の生長)に傾いてしまうので、葉やつるばかりが生育し、肝心な実が出来なくなります。状態を見ながらバランスよく生育させられるようにしましょう。

着果のタイミング

  • 着果は適切な位置、節目で行います。それぞれの品種に適した節目のあたりで着果させるようにしましょう。適切な節目よりも早く着果させてしまうと、果実が小さくなったり、生育も落ちてしまうので、摘花を行うと良いです。

収穫

品種によりますが、開花後30〜50日の果実のつけ根にひびが入りコルク化や褐色に変色したものを収穫します。西洋カボチャは収穫後、風通しの良い場所で乾燥させると、日持ちや甘みが増します。
収穫後すぐは甘みが少ないため、風通しの良い涼しいところで1週間程度保管してから食べるようにしましょう(キュアリング)。

監修者情報

坂さん OAT研究員

徳島県鳴門市生まれ
京都工芸繊維大学繊維学部高分子学科 卒業
大塚化学(株)に入社し、技術部農肥技術課、栽培研究センター研究員、四国出張所所長を歴任。
現在はOATアグリオ(株)研究開発部 肥料・BSグループリーダーとして活躍中
主な業務は肥料やバイオスティミュラント(BS)資材の新製品開発
趣味は釣りひとすじ

三好さん OAT研究員

香川県東かがわ市生まれ
新潟大学大学院自然科学研究科 修了
大塚化学(株)に入社し、肥料開発や栽培技術開発に従事
その後、同社鳴門研究所安全性研究室 研究員や(株)養液土耕研究所 代表取締役社長などを歴任
現在はOATアグリオ(株)栽培研究センターのセンター長として活躍中
趣味は釣りとゴルフ

よくある質問

  • Q

    発芽率があまりよくありません。何故でしょうか。

    土の地温が低い、または水のあたえすぎが原因として考えられます。発芽適温になるように温度を保てるハウスや育苗器で育苗し、必要であれば加温してください。また、水をあたえすぎると種が酸欠になり、土の温度を下げることになります。水やりはポットの土がやや乾いたらあたえるようにしてください。

  • Q

    雨の日に雌花が開花しました。授粉をしても大丈夫でしょうか。

    晴天の日に比べ、雨でぬれていると授粉の成功率はかなり落ちます。前日に雌花の様子を見て開花しそうなら雨でぬれてしまう前にキャップをするか袋などを被せておくと良いでしょう。

  • Q

    授粉は必ずしないといけないですか。

    露地栽培の場合、ハチや虫が花粉を媒介してくれることもありますが、確実に結実させるために授粉処理を行うと良いです。また、花が開花している時間は限られているので早朝~10時頃までに行います。

更新日時: 2024/02/20