カンパニュラ

カンパニュラとはラテン語で「釣鐘」を意味します。花の形が釣鐘に似ていることからそう名付けられました。色は青紫、薄紫、白、ピンクなどがあり、ほとんどが横や上を向いて咲きます。草丈は30㎝から1mほどまで高くなるので、風で折れたり、倒れたりしないように添え木をすると美しく育ちます。

難易度

基本情報

科名属名
キキョウ科ホタルブクロ属
開花までの期間
開花期間:5~7月
植え付け時期
播種:5~9月
植え付け:9~10月もしくは、播種翌年の3~4月
栽培スペース
苗よりも1回り大きい鉢に植え付け
地植えなら30cm間隔で植え付け
水やり
乾き気味
たっぷり水やり
栽培暦

準備と植え付け

準備するもの

苗の準備と植え付け

  • 01

    播種

    播種時期は品種によって違うため、準備した種の播種時期を事前に確認しておきましょう。
    128穴セルトレーに草花用の培養土を詰め、1穴毎に種を1~2粒まきます。このとき、種に覆土はしません。

  • 02

    間引き

    土が乾かないように日陰で管理し、発芽したらセル1穴当り1株に間引きます。

  • 03

    移植

    本葉が2~3枚になったら、培養土を入れた6~7.5cmポットに移植し、苗を育てます。

  • 04

    植え付け時期

    苗が育ってポットに根が回ったら、9~10月か播種翌年の3~4月に鉢や庭に植え付けます。
    苗を購入して育てる場合は、ポットに根が回っていることを確認してから3~4月もしくは9~10月に鉢や庭に植え付けます。

  • 05

    植え付け①〈鉢植えの場合〉

    苗よりも1回り大きい鉢(18cm以上の鉢をオススメします)に鉢底ネットを敷き、鉢底石を鉢の高さの1割程度入れたものを準備します。

  • 06

    植え付け②〈鉢植えの場合〉

    草花用の培養土に赤玉土(中粒)を2,3割混ぜると水はけが良くなり、根腐れを起こしにくくなります。

  • 07

    植え付け③〈鉢植えの場合〉

    培養土を鉢に少量入れた後、苗を中心に置き、鉢の縁から1~3㎝程度下まで残りの培養土を入れます。割りばしなどで土を軽く突くと根に土が隙間なく入っていきます。

  • 08

    植え付け①〈地植えの場合〉

    植え付けの2週間ぐらい前に酸度調整として苦土石灰を、さらにその1週間後に完熟堆肥腐葉土元肥として、パラっと有機彩り草花を混ぜておきます。

  • 09

    植え付け②〈地植えの場合〉

    高さ20〜30cmのを作り、水はけをよくします。
    カンパニュラは多湿を嫌うので、株間は30cmほど広く開けます。

  • 10

    植え付け③〈地植えの場合〉

    花茎が伸び始めたら、支柱を立てて風で折れたり、倒れたりしないように支えます。

栽培

  • 01
    水やり

    <鉢植えの場合>

    多湿による蒸れを嫌うので、土が十分に乾いてから、たっぷりと水をあたえます。
    受け皿に水が溜まったらその都度捨てるようにします。また、根を傷めないよう、水は午前中の涼しいうちにあたえます。


    <地植えの場合>

    天候任せでも十分に育ちますが、日照りが続き、葉に元気がなくなってきた時はたっぷりと水をあたえます。

  • 02
    追肥

    花が咲き終わるまでの3~9月の間にジャストワン液肥300倍希釈液を週1~2回の頻度であたえます。
    また、開花期以降は花芽の充実のため、ホスプラス1000倍希釈液を2週間に1回の頻度であたえます。

  • 03
    花がら摘み

    花が咲き終わった後は種をつけます。この種をそのままにしておくと株の栄養を奪ってしまうので、花が咲き終わったら花の付け根部分から摘み取ります。この作業をすることで長く花を楽しめます。

  • 04
    株分け

    カンパニュラは株分けで増やすことができます。株分けは、3~4月か9~10月の花が咲いていない時期に行います。根が鉢いっぱいに回ったタイミングで、小さい株は手で、大きい株はナイフで茎に根がついた状態で分けていきます。大きな株は5株前後、小さな株は2株前後に分けることができます。あまり小さな株に分け過ぎると、花が咲くまでに時間がかかるので注意します。株分け後の植え方は、苗の植え付け時と同様です。

カンパニュラの栽培の様子は、以下のページに掲載しています。

栽培の際の注意点

温度管理

  • カンパニュラは寒さに当てないと花を咲かせないので、冬は霜が降りない屋外で管理します。夏場の高温多湿が苦手なので、温度が上がり過ぎない場所で管理します。

培養土の酸性に注意

  • カンパニュラは、酸性土壌を好みません。地植えにする際、庭の土が酸性に傾いている場合は、植え付けの2週間ほど前に石灰を入れ耕します。その1週間後に完熟堆肥元肥として、パラっと有機彩り草花を入れ土になじませます。土の酸度は、市販の酸度測定液などを使って調べることができます。窒素分を含む肥料は、石灰(「消石灰」や「苦土石灰」)と同時に使用できません。
    日数がない場合は「有機石灰」「完熟堆肥」「有機肥料」を使うと同時に混ぜ込むことが可能で、すぐに植え付けができます。

開花

監修者情報

坂さん OAT研究員

徳島県鳴門市生まれ
京都工芸繊維大学繊維学部高分子学科 卒業
大塚化学(株)に入社し、技術部農肥技術課、栽培研究センター研究員、四国出張所所長を歴任。
現在はOATアグリオ(株)研究開発部 肥料・BSグループリーダーとして活躍中
主な業務は肥料やバイオスティミュラント(BS)資材の新製品開発
趣味は釣りひとすじ

三好さん OAT研究員

香川県東かがわ市生まれ
新潟大学大学院自然科学研究科 修了
大塚化学(株)に入社し、肥料開発や栽培技術開発に従事
その後、同社鳴門研究所安全性研究室 研究員や(株)養液土耕研究所 代表取締役社長などを歴任
現在はOATアグリオ(株)栽培研究センターのセンター長として活躍中
趣味は釣りとゴルフ

よくある質問

  • Q

    花が強風で株元から折れてしまいました。折れ花も綺麗に花を咲かせたいのです何か良い方法はありますか?

    花が強風で株元から折れてしまった場合は、切り花ながもち液美咲を使って生け花にすることが出来ます。水で50倍に希釈した美咲を入れ、水切りしたカンパニュラを生けます。美咲は水換え不要なので、液が減ったら同様の希釈液を補充するだけで、簡単に長い間切り花を楽しめます。

更新日時: 2022/08/17