バケツイネ
※野菜ではありません

栽培暦

栽培日誌

  • 潅水
  • 散布

<バケツ稲 土づくりと定植(定植日:2022年6月30日)>

*定植60日目に虫の写真があります。

「バケツで稲を栽培したらどれくらいの量のお米が収穫できるの?」という疑問を持ち、3週間ほど育苗した苗を植えて栽培スタートです。品種はヒノヒカリです。

今回は使用する土壌により生育の違いがあるのを見たかったため、水稲育苗用培土(培養土)と田んぼの土(水田土)の2種類を準備しました。水稲育苗用培土は肥料成分が入っているので元肥は入れませんでしたが、水田土には元肥として化成肥料を小さじ1杯入れました。

土を入れたバケツの3カ所に、1カ所あたり3本ずつまとめて苗を植えつけました。1本の苗は本葉が2~3枚ほどでまだ弱々しく感じますが、7日程度で新たな根が出て活着します。シャワーで水を注ぐと、粒子が細かい水田土では水が濁り半日たっても濁ったままでした。水が濁るおかげで、雑草は光合成しづらく生えにくいのだとか。

<バケツ稲 中干し前 定植25日目>

1本の茎からどんどん分げつ(茎の根元から新しい茎が生えてくること)し、茎数が増えたとともに、太くしっかりした茎になりました。水田土の方はもともと雑草の種子が混入していたせいか雑草が生えてしまったものの、見た目の生育にそれほど差はありません。

田植えの約1カ月後、稲の背丈が50cm程で、茎数が20本程に増えたので中干しを行いました。バケツの水をすべて捨てて3日ほど乾かし、土の表面にヒビが入ったところで中干しは完了。再度、水を潅水しました。

<バケツ稲 病気の発生 定植32日目)>

イネの代表的な病気、カビが原因のいもち病が発生してしまったため、いもち病に登録のある農薬を散布しました。しかし、一度発生してしまうと病気はなかなか収まらず、予防や発生初期の防除の大切を痛感しました。

<バケツ稲 追肥 定植36日目>

培養土と比べると水田土では葉が黄緑色になっていたため追肥として化成肥料を小さじ1杯をあたえました。

穂の分化が始まる出穂前20~25日頃に追肥(穂肥)をすることで、穂の発育をよくすることを目的としています。たくさん実りますように…。

<バケツ稲 追肥 定植43日目>

水田土のバケツで一足先に緑色の穂が葉の筒(葉鞘)の中からニョッキと顔を出しました。実はこれがイネの“花”です。もみ殻になる部分が花のがくで、中から雌しべ雄しべが出ているのがわかります。開花しているのは晴れた日の午前9時から2~3時間程度なので、お見逃しなく!

<バケツ稲 害虫の発生 定植60日目>

葉が縦に巻かれ、周囲は白くかすれたようになっている葉を発見しました。

そっと葉を開いてみると幼虫がいました。これはチョウ目のコブノメイガです。緑が濃く、葉が生い茂っていた追肥ありの培養土のバケツで発生が多かったです。

さらには籾(もみ)が所々黒くなっていました。

これはミナミアオカメムシの仕業。籾(もみ)が登熟途中で液状の時期に口から針を刺し、籾(もみ)の養分を吸い取ります。被害にあった籾(もみ)は微生物が繁殖し黒くなり、斑点米として品質が低下してしまいます。
いずれの害虫も被害が大きい場合は減収にもつながるため適切な防除が必要です。今回はバケツ稲での少量の栽培なので、被害葉を取り除いたのみでそのまま様子を見ることにしました。

<バケツ稲 収穫 定植73日目>

出穂から1カ月後、穂全体が黄金色になり頭が垂れてきました。

いくつか籾(もみ)を指で剥いでみると、中には玄米がしっかりと入っていました。

稲刈りの数日前から水抜きを行い、ハサミを使って収穫しました。

収穫した稲は縛って、穂を下にして風通しのよい場所で干しました。

<バケツ稲 収穫後の脱穀・精米>

今回は割りばしに挟む方法で脱穀を行い、1時間半かかってやっとすべての脱穀が終わりました。

籾(もみ)の状態での収量は、追肥ありの培養土で多い結果となりました。

続いて、籾摺り機を用いて籾(もみ)を取り除きました。

バケツ4つ分の合計で籾(もみ)714 gが、玄米にすると483 gとなり籾殻の分6~7割重さが減りました。玄米は1合が約156 gなので、3合分の収穫でした。
「Q.バケツ稲でどれくらいの量のお米が収穫できるの?」                             
 「A.バケツ4つ分でお米3合、約20,000粒の収穫ができました!」