ブドウ(デラウェア)

栽培暦

栽培日誌

  • 潅水
  • 散布

<デラウェア 作業開始(2022年3月10日)>

昨年植え付けられたのですが、管理が難しくだいぶ傷んでしまったので、今年は栽培に挑戦します。まずは数日かけてブドウの垣根作り。ワイヤークリップとターンバックルを使って積水エクセル線を3段に張り、垣根を作りました。

<デラウェア 剪定作業>

本来なら2月中には終えないといけない作業です。果樹にはきちんとした仕立て方があり、ブドウも棚仕立て・垣根仕立て・棒仕立てなどがあり、日本では頭上からブドウがぶら下がるイメージの棚仕立てが一般的ですが、今回は棒仕立てにしました。

<デラウェア 栽培1日目>

次は休眠期の防除です。ブドウの枝には前年から冬を越した病原菌(晩腐病・つる割病)がついていることがあるので、芽吹く前にも防除をします。早速登録のある殺菌剤を散布しました。

それともう1つ、病害虫を防ぐために“粗皮はぎ”と“巻きひげ取り”という作業があります。古くなってささくれだったような皮の下や古くなった巻きひげは病害虫の格好の住処となってしまうので取り除きます。当社のブドウはまだ小さいので皮はあまり剝がしませんでしたが、巻きひげはきちんと取り除きました。

その後これから芽吹くブドウのために、市販の有機ぼかし肥料(ペレット状)を施しました。施肥量は窒素として2.3 kg/10 a くらい。植え付けて2年目なので、成木よりはかなり少なめです。施肥後、圃場を耕しました。

<デラウェア 栽培18日目>

デラウェアはまだ芽吹いていませんが、で剪定の切り口を見てみると樹液が滴っており、ブドウの樹が根から水を吸い上げて、もうお目覚めということが分かります。この樹液の滴りは英語でブリーディング(bleeding)、フランス語でプルール(pleurs)と呼ぶそうです。プルールは“涙”という意味だそうです。この樹液が見られると枝に柔軟性が出てくるので、ワイヤーへの誘引ができるようになります。

<デラウェア 栽培47日目 その①>

4月後半になり、当社栽培研究センターが所在する鳴門市はだいぶ気温が上がり始め、そろそろハウスの中が暑くなってきました。
そんな中デラウェアは順調に芽吹いています。展開したばかりの葉はつやつやで、いかにも命溢れてる、といった趣です。そして蕾も出始めました。

種なしブドウにするためにジベレリンという植物ホルモンを2回処理するのですが、デラウェアでは1回目の処理適期が満開の14日ほど前であり、満開日を予測する必要があります(なお処理適期は品種により異なります)。この予測方法はいろいろ研究されており、第2新梢の展葉数を数える方法などがあります。処理時期を誤ると種が残ったり、房の形がおかしくなったりするので、かなり技術がいるようです。ちなみにジベレリン処理をしなくても種ができるだけで、美味しいブドウがなるはずです。ご家庭で栽培される際はジベレリン処理をしなくてもよいかもしれません。

<デラウェア 栽培47日目 その②>

葉脈を残して食い荒らされている葉を何枚か見つけました。コガネムシ類のようです。

それともうひとつ、ブドウの葉柄に透明のつぶつぶが付いているのを見つけました。これは“真珠腺; grape pearls”といって、ブドウ自身の分泌物のようです。樹液の滴りを“プルール(pleurs; 涙)”と呼ぶことといい、ブドウ栽培はなんだかおしゃれな用語が多く感じます。品種によって真珠腺のできやすさも違うそうですが、一般的には真珠腺はブドウが元気な印と言われているようです。

<デラウェア 栽培49日目>

コガネムシ類と思しき食害痕を確認したので、適切な農薬の散布を行いました。農薬散布の際は防護服・保護眼鏡・マスク・手袋・長靴を着用し、極力農薬に触れないよう安全に注意して作業します。この状態で農薬が入った噴霧器(10~20 L)を背負うので、特に夏場は重労働です。作物全体に(葉っぱの裏にも)均一にかかるよう散布しました。

<デラウェア 栽培60日目>

興味深い虫を見つけました。“アカガネサルハムシ”というハムシの1種です。体は小さいですが、まるでタマムシのように鮮やかで綺麗です。しかしブドウの害虫で、ときに新芽を食い荒らしてしまうこともあるようです。

<デラウェア 栽培61日目>

種なしブドウにするために植物ホルモンのジベレリンを蕾に処理します。満開の14日ほど前という処理適期の見極めも含め、ジベレリン処理の巧拙次第でその年の出来不出来が左右されると言われるくらいの重要な作業です。調製したジベレリン溶液は着色剤を入れているので、かき氷のイチゴシロップそっくり、これでジベレリンを処理した蕾かどうか見分けられます。

処理適期で晴天のため、お試しで3株だけに処理しました。

<デラウェア 栽培67日目>

なんとか1回目のジベレリン処理を終えましたが、ブドウは開花期から落花期にかけてが病気にかかりやすい時期ですので、なかなか気が抜けません。特に灰色かび病を防ぐうえでは開花直前と落花直後の防除が肝要だそうです。一部の房が開花し始めていたので、急いで殺菌剤を散布しました。

今回散布したのは、当社殺菌剤「オーシャインフロアブル」です。オーシャインフロアブルは灰色かび病にも効果を示す剤として知られており、黒とう病やうどんこ病にも適用があります。さらに、治療効果も有するため、散布の適期幅が広く使いやすい剤です。

<デラウェア 栽培82日目>

無事に開花しました。ブドウの花穂(かすい=実の部分)は主穂(しゅすい)と副穂(ふくすい)の2本出ますが、副穂は切り取り、主穂は形を整えていきます。

今回は2回目のジベレリン処理です。1回目の処理で種はできなくなりますが、2回目の処理は果実の肥大促進が目的です。2回目の処理適期は満開後10日程度とされますので、1回目よりは見当をつけやすいです。1回目と同様、カップに入れた溶液に1穂ずつ浸していきました。

<デラウェア 栽培84日目>

梅雨期はべと病をはじめ雨を好む病原菌の感染を受けやすくなり、日照が不足すると生長に悪影響が出かねません。特に国内のブドウ栽培においては、梅雨期に結果枝基部の葉が黄変落葉する事例が報告されています。このような早期落葉は液体肥料の葉面散布で軽減できるという研究がありましたので、当社葉面散布肥料「サンピ833neo」1000倍希釈と「ホスプラス」2000倍希釈を混用で散布しました。もし日照が不足しても、これで少しはダメージが軽減されるはずです。

サンピ833neo」を散布した理由は、梅雨期の日照不足に備えるため以外にもう1つあります。葉脈の間が黄色くなってシマシマになっている葉(いわゆる“トラ葉”)を何枚か見つけたからです。いずれも古い葉に見られたことから、マグネシウムの欠乏症状と思われました。マグネシウムのように植物体内を移動しやすい成分は、足りなくなると古い葉から新しい葉に送られるので、古い葉に症状が出ることが多いのです。

<デラウェア 栽培89日目>

この時期のブドウ栽培は本当にやることが多く、なかなか手が回りません。今回は株元に防草シートを張りました。たとえ除草剤を使うとしても夏場の外作業はしんどいので、極力さけたいのです。

次に摘房(てきぼう)作業を行いました。ブドウは1本のつるにいくつも実がつきますが、そのままにすると樹に負担がかかりすぎてしまいます。1本のツルに1~2房を残してあとは切り取りました。

<デラウェア 栽培118日目>

今日までに、落花期の防除や新梢の整理などを行いました。そしてやっと一部の果房が色づき始めました(ほとんどの房はまだ緑色で硬いですが)。果粒が急激に軟化するベレゾーン期(軟化期)以降になると、着色も進み始めます。あまり暑すぎると着色が悪くなるので、今後の気温上昇がちょっと心配です。

<デラウェア 栽培119日目>

ブドウの袋掛け作業を行いました。病害虫や鳥の食害予防が主な目的ですが、もう1つ重要な意味があります。ブドウの表面にうっすら付いている粉、果粉(ブルーム)を落とさないためです。この果粉は高品質の証なので、1つ1つ丁寧に袋を掛けました。

<デラウェア 栽培123日目>

以前散布した殺菌剤の効果が切れてきて、べと病らしき病斑(写真:ピンク矢印)が現れました。べと病は卵菌といって、他の病原菌とは異なるグループの菌ですので、べと病に効果のある殺菌剤を選んで散布しました。

<デラウェア 栽培134日目> 

ジベレリン処理を行った樹は果実の成熟が早く、待ちに待った収穫を迎えました。

2回目のジベレリン処理時期が遅かったのか、まともに肥大したのは2房だけでしたが、しっかりと種なしになっていました。肝心の味は、わずかに酸味がありましたが、しっかり甘味が感じられ同僚からも好評でした。サンピ833neoのおかげかもしれません。

<デラウェア 栽培162日目>

ジベレリン処理をしなかった果房もようやく収穫を迎えました。こちらはバットいっぱいに収穫することができました。当然ながら種があり、食べにくいのが難点ですが、サンピ833neoのおかげか味は良かったです。来年はすべてにジベレリン処理を行って、栽培を頑張りたいと思います。