キウイフルーツ

酸味と甘みのバランスが美味しい果物。ビタミンCをはじめ、様々な栄養も詰まっています。皮には細かい産毛があることから害虫がつきにくく、防除の手間が比較的少ないため、果樹に挑戦してみたい方にオススメです。

難易度

基本情報

科名属名
マタタビ科マタタビ属
収穫までの期間
3~5年
生育適温
15~22℃(最低-7℃以上)
植え付け時期
10~12月(寒冷地の場合は2~3月)
栽培スペース
3m
水やり
乾き気味
たっぷり水やり
栽培暦

準備と植え付け

準備するもの

苗の準備と植え付け

植え付け時期 10~12月頃(寒冷地は2~3月頃)
  • 01

    植え付け①〈地植えの場合〉

    植え付けの2週間以上前に200g/㎡の苦土石灰をまき、よく耕しておきます。

  • 02

    植え付け②〈地植えの場合〉

    直径及び深さが50~60 cmほどの穴を掘り、根を広げるようにして植え付けます。掘り出した土の半分に緩効性肥料や腐葉土を混ぜて植穴に入れた後、残りをさらにかぶせます。戻した土は徐々に締まってくるので、やや高めに盛り上げるようにします。雄株と雌株は3〜10mの間隔で植え付けます。

  • 03

    植え付け後〈地植えの場合〉

    根元から50cm程度の芽が出っ張っている上を切り(2~3芽残るくらい)、支柱を挿してたっぷり水やりを行います。活着するまで乾燥しないようにしましょう。支柱と苗は、ひもで8の字に結んで固定します。人差し指が入るくらいゆるく結びましょう。

  • 04

    植え付け①〈鉢植えの場合〉

    鉢に鉢底石を入れて、培養土を5分目くらいまで入れます。地植えの場合と同じように切り詰めた苗の根を広げて真ん中に置き、培養土を上から入れます。8分目までが目安です。最後に、鉢底から流れるくらい水をたっぷりあたえ、支柱を設置します。

  • 05

    植え付け後

    風通しがよく、日の当たる場所に置きましょう。
    また、雄株と雌株を植えた鉢は3mほど離して置くようにします。

栽培

  • 01
    水やり

    地植えの場合、活着後の水やりはほぼ必要ありません。ただし夏に日照りが続いた場合は樹の様子を見ながら水やりをします。
    鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、底から水が出るくらいたっぷり株元に水やりします。夏場は乾燥しやすいため、様子を見て朝晩の2回水をあたえます。

  • 02
    追肥

    地植えの場合、肥料は収穫後と休眠前(12~2月頃)に有機質肥料や緩効性肥料をあたえます。
    鉢植えの場合は、3月、5月、11月頃に緩効性肥料をあたえます。

  • 03
    誘引

    地植えの場合は1本仕立てに生長させる「棚仕立て」、鉢植えの場合はリング支柱を立てて「あんどん仕立て」を行いましょう。あんどん仕立てはある程度苗が生長してから切り替えます。

  • 04
    棚仕立て

    若木のうちは1本の枝が真っすぐ伸びるように、強い枝以外の枝をできるだけ根元から切り落とします。生長してきたら棚に水平に倒して誘引し、新梢の先端の細い部分を剪定して側枝にしたり、実をならす枝をつけるようにします。これらの枝は、40cm間隔で配置し、魚の骨のような形にしましょう。雄株も棚に誘引しますが、大きくする必要はないので、開花・授粉終了後に切り戻します。

  • 05
    あんどん仕立て

    若木のうちは1本の枝が真っすぐ伸びるように新梢を巻きつかせないよう誘引し、巻き始めたら摘芯を行います。植え付け翌年かさらに翌年の春頃になったら、仮支柱を外して、リング支柱を設置します。枝を上部に1~2回巻き付け、伸びてきた新梢を支柱に沿わせて誘引します。巻き付けた先は切るようにしましょう。

  • 06
    剪定

    放っておくとどんどんと枝を伸ばすため、魚の骨のような形を保つための剪定を行います。時期は、12月下旬~2月頃です。骨格となる主枝はそのままに、主枝に近い根元から出ている枝以外を切り落とすようにします。また、果実が着いた節からは、新たに萌芽しないので、その節の先の芽を、3~5芽残して切り戻します。残した枝は、間隔をとって棚に誘引しましょう。
    ➀一昨年伸びた枝
    ➁去年伸びた枝
    ➂今年伸びて果実ができた枝

  • 07
    摘蕾摘果

    葉10~12枚の長果枝に果実3~4個、葉6~7枚の短果枝に果実2個くらいを目安に、雌花を摘蕾します。果実が生長し始めたら、発育が悪い果実や傷のある果実を取り除く摘果を行います。1本の枝に2個程度くらいとなるように減らしましょう。

キウイフルーツの栽培の様子は、以下のページに掲載しています。

栽培の際の注意点

受粉

  • 訪花昆虫が少ない場合は、人工授粉を行うとよいでしょう。雄花を摘み、雌しべに軽く擦りつけて花粉をつけます。雄花1個に対し、雌花5~10個が目安です。

追熟

  • 果実が固いうちに収穫して追熟処理を行い、糖度を上げます。市販されているエチレンガスのパックもしくはリンゴを使用します。キウイフルーツの果実10個に対してリンゴ1個をビニール袋等に一緒に入れて封をします。完熟までは1~2週間ほどです。

収穫

10月下旬~11月下旬が収穫時期です。糖度計を持っている方は、糖度6度程度を目安として収穫しましょう。持っていない方は果皮の地色が茶色になった頃を目安としましょう。

監修者情報

坂さん OAT研究員

徳島県鳴門市生まれ
京都工芸繊維大学繊維学部高分子学科 卒業
大塚化学(株)に入社し、技術部農肥技術課、栽培研究センター研究員、四国出張所所長を歴任。
現在はOATアグリオ(株)研究開発部 肥料・BSグループリーダーとして活躍中
主な業務は肥料やバイオスティミュラント(BS)資材の新製品開発
趣味は釣りひとすじ

三好さん OAT研究員

香川県東かがわ市生まれ
新潟大学大学院自然科学研究科 修了
大塚化学(株)に入社し、肥料開発や栽培技術開発に従事
その後、同社鳴門研究所安全性研究室 研究員や(株)養液土耕研究所 代表取締役社長などを歴任
現在はOATアグリオ(株)栽培研究センターのセンター長として活躍中
趣味は釣りとゴルフ

よくある質問

  • Q

    枝に細かい毛が生えてきましたが、大丈夫でしょうか?

    肥料をあたえすぎると、枝に細かい毛が生え、実がつかなくなってしまいます。追肥をあたえないようにするなど、肥料の量を調整しましょう。

更新日時: 2025/01/09
育て方