パクチー

タイではパクチー、中国ではシャンツァイ(香菜)、英語ではコリアンダー、和名はコエンドロと国によって様々な名前で呼ばれます。葉や茎に独特な香りがあり、エスニック料理や中華料理などに欠かせないハーブ。種もスパイスとして使われます。家庭菜園でも丈夫で育てやすく、収穫直後はさらに強い香りが楽しめます。

難易度

基本情報

科名属名
セリ科コエンドロ属
収穫までの期間
2カ月
生育適温
15~25℃
植え付け時期
播種時期:春~初夏、秋(発芽適温:20~25℃)
栽培スペース
露地栽培の場合、幅100cm、株間20cm程度
水やり
乾き気味
たっぷり水やり
栽培暦

準備と植え付け

準備するもの

苗の準備と植え付け

播種(種まき)時期 春~初夏、秋
20~25℃の発芽適温の頃
  • 01

    播種・育苗

    パクチーの種は硬い殻に覆われているため、軽く叩くように殻を割り、一晩水に漬けてから播種すると発芽しやすくなります。ポットに深さ1cmのまき穴を作り、そこに種を2~3粒をまきます。好光性種子のため覆土は薄くし、軽く鎮圧します。

  • 02

    播種<プランター栽培の場合>

    プランターに鉢底石を入れて、野菜用の培養土を8分目くらいまで入れます。種を直播きする場合は、深さ1cmのまき溝に1~2cm間隔で種をまき、薄く土をかけます(5mm程度)。大きいプランターの場合はまき溝を2列作ります。

  • 03

    植え付け<プランター栽培の場合>

    苗を植え付ける場合は、移植ゴテで苗と同じくらいのサイズの穴を掘り、苗をやさしく入れてすき間を培養土で埋めたら、底から水が出るくらいにたっぷり水やりをします。株間は20㎝程度が目安。

  • 04

    播種・植え付け前<露地栽培の場合>

    播種もしくは植え付けの2週間以上前に苦土石灰を100 g/m²まき、よく耕しておきます。1週間前には1m²あたり100gのパラっと有機元気野菜をまき、を立てます。
    種を直播きする場合は1m幅の条間20cmで深さ1cmのまき溝を作り、1~2cm間隔で種をまきます。

  • 05

    植え付け<露地栽培の場合>

    苗を植え付ける場合は、株間20~30cmで植え付けるようにしましょう。

栽培

  • 01
    水やり

    播種後は発芽まで土を乾かさないようにたっぷり水やりを行います。発芽後も土の表面が乾燥したら、たっぷりと水やりを行います。

  • 02
    間引き

    本葉2~3枚で株間5cm間隔になるように間引きします。本葉が4~5枚になったら株間10cm、本葉7~8枚になったら株間20cmにします。生育の悪いものを間引くようにしましょう。

  • 03
    定植

    パクチーは直根性のため移植を嫌いますが、根を傷つけないように気をつければ移植や定植は可能です。ポットに播種してプランターや露地に移植する場合は、株が小さいうちに移し替えます。本葉5~7枚が目安です。根鉢の上部が隠れるくらいの土を被せて株元を軽く鎮圧します。移植後はたっぷりと水やりを行います。

  • 04
    追肥

    月に1回の間隔で粒状肥料をあたえるか、2週間に1回の間隔で液体肥料をあたえると、長い期間収穫を行うことが出来ます。

パクチーの栽培の様子は、以下のページに掲載しています。

栽培の際の注意点

暑さに弱い

  • 暑い地域で栽培されているイメージですが、意外と暑さには弱いので、暑い季節では半日陰になる場所で栽培すると良いでしょう。

覆土は薄くする

風通しをよくする

  • 葉が密集して風通しが悪いと病気の原因や生育が悪くなることがあるので、間引きをして株数や葉を減らしましょう。

害虫

  • パクチーで発生しやすい害虫の一つがアブラムシです。茎や葉に寄生して株を弱らせ、枯れる原因になることがあります。対策の一つとして、風通しのよい場所で栽培することがオススメです。パクチーの葉は柔らかく傷つきやすいので、アブラムシが発生した場合は手で潰さずに適切な薬剤を散布しましょう。

収穫

草丈が20cm以上になったら、ハサミや手で摘み取って収穫します。少しずつ収穫する場合は外側の古い葉から収穫します。収穫後に追肥すると長く収穫を行うことが出来ます。種を取りたい場合は、花が咲いても摘まずにそのまま結実させ、全体的に枯れて茶色に乾燥したら、手で摘み取って収穫します。

監修者情報

坂さん OAT研究員

徳島県鳴門市生まれ
京都工芸繊維大学繊維学部高分子学科 卒業
大塚化学(株)に入社し、技術部農肥技術課、栽培研究センター研究員、四国出張所所長を歴任。
現在はOATアグリオ(株)研究開発部 肥料・BSグループリーダーとして活躍中
主な業務は肥料やバイオスティミュラント(BS)資材の新製品開発
趣味は釣りひとすじ

三好さん OAT研究員

香川県東かがわ市生まれ
新潟大学大学院自然科学研究科 修了
大塚化学(株)に入社し、肥料開発や栽培技術開発に従事
その後、同社鳴門研究所安全性研究室 研究員や(株)養液土耕研究所 代表取締役社長などを歴任
現在はOATアグリオ(株)栽培研究センターのセンター長として活躍中
趣味は釣りとゴルフ

よくある質問

  • Q

    長く収穫したいのですが、どうしたら良いですか。

    花が咲くと栄養が取られるので、収穫を長く続けたい場合は、花芽を見つけたらすぐに摘み取ると良いです。

  • Q

    翌年も育てることが出来ますか。

    パクチーは一年草で、ある程度収穫を終えると枯れるので何年も続けて育てることはできませんが、種を取っておくと翌年も栽培を行うことが出来ます。パクチーの実が茶色に熟したら株ごと収穫し、日陰でよく乾燥させてから種を集め、翌年まで保存しておきます。

  • Q

    水耕栽培でも育てられますか?

    可能です。特に、少量を育てたい方にはオススメです。OATアグリオのオンラインショップでは、水耕栽培キットの販売サブスクなどもありますので、ご興味のある方は覗いてみてください。

出やすい病気

更新日時: 2024/10/25
育て方