メロン

メロンには多くの品種があり、皮の表面に見えるネットや果肉の色で種類が分けられます。ネットがあるものは「ネット系」、無いものは「ノーネット系」、果肉が赤いものは「赤肉系」…など。難しいイメージのあるメロンですが、近年はプランターで育てられるような家庭菜園向きの小玉の品種も多くあります。

難易度

基本情報

科名属名
ウリ科キュウリ属
収穫までの期間
3~4カ月
生育適温
20~30℃
植え付け時期
播種時期:3~4月(発芽適温25~30℃)、植え付け時期:4~5月
栽培スペース
株間60~80 cm
水やり
乾き気味
たっぷり水やり
栽培暦

準備と植え付け

準備するもの

苗の準備と植え付け

播種(種まき)時期 3~4月
  • 01

    苗の準備

    種から育てる場合は、ポットに種をまいて育苗します。土を詰めたポットに深さ1cmくらいで種を3~4粒まき、土をかぶせ、手で軽く押さえて水やりします。発芽後、本葉1~2枚の時に2本に間引きし、本葉3枚で1本立ちにします。

  • 02

    畑・プランターの準備

    露地栽培の場合は、定植2週間前に苦土石灰をまいて耕し、定植1週間前にはパラっと有機元気野菜を200 g/m²まいて耕し、をたてます。メロンは高温・乾燥を好むため、トンネルやマルチをしておくと、地温を上昇させ土壌中の水分が過多にならないように対策が出来ます。プランター・鉢栽培は、深さと高さが十分にあるものを選び、プランター・鉢の8割くらいまで野菜用の培養土を詰めます。

  • 03

    定植

    本葉が3~4枚程度になったら定植します。定植の前に苗に水をたっぷりとあたえ、晴天無風の日の午前中に定植します。株間を70cm程度空けて植穴を掘り、適切な定植時処理の薬剤を入れて、やや浅めになるようにポットの根を崩さずに植えます。ポットの培地と土をなじませるために株周りに軽く潅水します。気温が低いうちは活着するまでトンネル等を活用し、夜間の保温を行います。日中は温度が上がりすぎないように風通しを良くしましょう。プランター・鉢栽培の場合は軒下などの雨が直接当たらない場所に置くと水分過多になるのを防げます。

栽培

  • 01

    定植後1週間は活着するまでしっかりと水やりを行います。メロンは過湿を好まないため、その後は土の表面が乾いたら水やりを行うようにします。露地栽培の場合は1つ目の果実がついたら1日に2回ほど水やりを行うと良いです。

  • 02
    摘芯

    本葉が5枚展開したら、親づるを摘芯します。メロンの果実は子づるに実るため、元気な子づるをたくさん生育するために親づるを切って生育を止めます。本葉の数え方は子葉の上から数えます。本葉4枚目と5枚目の間のところを切るようにしましょう。

  • 03
    整枝・誘引

    本葉と親づるの間から伸びている子づるのうち、元気の良い2本を残して残りを手で根元から摘み取ります。着果させる節までの側枝は早めに除去します。子づるの先端は授粉の2~3日前に25節前後で摘芯し、その時に子づるの先端の孫づるは、果実の肥大や品質向上のために3本を遊びづるとして残して除去します。
    プランター・鉢栽培の場合は、四隅に支柱を立て、支柱の10cmごとの高さに紐を巻き付けておき、つるが伸びてきたら誘引します。

  • 04
    追肥

    1番目の実がついてきたら1回目の追肥を行います。追肥は子づるの先端付近に1握りあたえます。プランター・鉢栽培の場合は、肥料成分が流れやすいため、様子を見ながら2週間に1度のタイミングで追肥を行います。

  • 05
    授粉

    確実に果実をつけるために授粉作業を行います。子づるの根元から節を数えて11~15節目までの花に授粉を行います。雄花と雌花の違いは、雌花は花の下の部分がぷっくりと膨らんでおり、雄花は膨らんでいません。作業は当日の早朝に咲いた花で行ってください。雨が降ると受粉率が下がるので、梅雨の時期までに行えると良いです。
    ・作業当日に、雌花と雄花が咲いているのを確認
    ・雄花のうち元気そうなものを選んで摘み取り、花びらをすべて取り除く
    ・出てきたおしべを雌花の先のめしべに擦り付けて授粉
    授粉処理をした雌花は授粉日をラベリングしておくのがオススメ

  • 06
    摘果

    果実がピンポン球くらいに発育したころに摘果作業を行います。露地栽培の場合は、1本の子づるに果実2~4個がつくように摘果します。プランター・鉢栽培の場合は1株に果実2個までとし、ネットで果実を吊るします。

  • 07
    玉直し

    露地栽培の場合は、果実がひび割れする前にメロンマットやわらを敷きます。

メロンの栽培の様子は、以下のページに掲載しています。

栽培の際の注意点

接ぎ木

  • 種からの栽培も出来ますが、接ぎ木苗を購入して育てるほうが栽培は成功しやすいです。

播種時期と定植時期

  • 発芽から着果までは栄養生長期で葉の茂りやつる伸びが良く、果実が肥大し始めると生殖生長期に差しかかり、これらの生長が止まります。播種定植タイミングが遅くなると着果後の負担に耐えられなくなる可能性があるため、時期を逃さないようにしましょう。

授粉

  • 授粉のタイミングは逃さないようにしましょう。

連作障害に気を付ける

  • ウリ科は連作障害が起きます。数年植えていない畑を使う、接ぎ木苗を使う、プランターで栽培するなどしてください。

収穫

品種や作型によっても収穫時期は異なりますが、着果している枝の葉が枯れて黄色になる、果皮の色の変化、ヘタの周囲に離層(白いしわのようなもの)が見える、などが観察できたら収穫を行います。ネットメロンは基本的に追熟が必要です。常温の暗所で置いておき、メロンのお尻部分を軽く押してみて少し弾力があり、メロン独特の香りがするものが食べごろです。

監修者情報

坂さん OAT研究員

徳島県鳴門市生まれ
京都工芸繊維大学繊維学部高分子学科 卒業
大塚化学(株)に入社し、技術部農肥技術課、栽培研究センター研究員、四国出張所所長を歴任。
現在はOATアグリオ(株)研究開発部 肥料・BSグループリーダーとして活躍中
主な業務は肥料やバイオスティミュラント(BS)資材の新製品開発
趣味は釣りひとすじ

三好さん OAT研究員

香川県東かがわ市生まれ
新潟大学大学院自然科学研究科 修了
大塚化学(株)に入社し、肥料開発や栽培技術開発に従事
その後、同社鳴門研究所安全性研究室 研究員や(株)養液土耕研究所 代表取締役社長などを歴任
現在はOATアグリオ(株)栽培研究センターのセンター長として活躍中
趣味は釣りとゴルフ

よくある質問

  • Q

    どのような苗を選べばよいですか?

    本葉3~4枚ほどの接ぎ木苗がオススメです。節間が間伸びしていないしっかりとした苗を選ぶようにします。

  • Q

    実がなりません。何が考えられますか。

    肥料過多(窒素成分の過多)や受粉が上手く出来ていないことが考えられます。追肥は控え、人工授粉する場合は、きちんと花粉が雌しべの先についているか、また授粉の前後に天気が悪くないか確認しましょう。

更新日時: 2025/02/12
育て方