ビーツ

ロシア料理のボルシチに欠かせないビーツは、肥大した丸い根を食用とし、鮮やかな赤紫色と、やや土臭さのある強い甘みが特徴です。ヨーロッパが原産で、地中海沿岸で栽培化されたといわれています。冷涼な気候を好むので、涼しい時期に栽培を開始するのがオススメです。栽培日誌では栽培しやすい品種のデトロイト・ダークレッドを栽培します。

難易度

基本情報

科名属名
ヒユ科フダンソウ属
収穫までの期間
2~3カ月
生育適温
15~25℃
植え付け時期
播種時期:3月下旬~5月(春まき)、8月下旬~10月上旬(秋まき)
栽培スペース
露地栽培の場合、幅60cm、株間20cm程度
水やり
乾き気味
たっぷり水やり
栽培暦

準備と植え付け

準備するもの

苗の準備と植え付け

播種(種まき)時期 3月下旬~5月、8月下旬~10月上旬
  • 01

    畑の準備

    定植2週間前に苦土石灰を100 g/m²まいて耕し、定植1週間前にはパラっと有機元気野菜を100 g/m²まいて、高さ10 cm程度のを立てます。

  • 02

    種の準備

    種が硬く発芽しにくいので、数時間水に漬けておきます。
    播種前にはペーパータオルなどの上に移動させ、水を軽く切ります。

  • 03

    播種

    20 cm間隔で支柱等を使って溝を作り、1~2 cm間隔で1~2粒ずつ種をまきます。薄く覆土して上から土を押さえ、水をたっぷりとあたえます。

栽培

  • 01
    水やり

    過湿を嫌うため、水のあげずぎは良くありません。露地植えの場合、発芽までは水切れを起こさないようにあたえますが、発芽後は乾燥したらあたえる程度で大丈夫です。

  • 02
    間引き土寄せ

    生育に合わせて間引きを行います。ビーツの種は種球といって2~3個の種が集まっているので、1粒から複数の芽が出ます。間引きは引き抜くのではなく、はさみで根元をカットすると良いです。最初の間引きは、双葉が展開したら重なり合わない程度に間引きます。最終的に本葉4~5枚の時期に株間を10 cm程度になるようにします。

  • 03
    追肥

    最後の間引き後に株元パラっと有機元気野菜を30 g/m²まいて、周りの土を土寄せします。その後も1~2週間ごとに追肥します。

ビーツの栽培の様子は、以下のページに掲載しています。

栽培の際の注意点

連作障害に気を付ける

  • 連作障害が起こりやすいため、1~2年は栽培間隔を空ける必要があります。同じヒユ科のホウレンソウやオカヒジキも連作できません。

水のあたえすぎ

  • 過湿を嫌うので、発芽後は少し土が乾いているくらいが良いです。

酸度の調整

  • 酸性土壌だと育ちにくいので、苦土石灰を使って畑の酸度の調整を行っておくことが重要です。プランター栽培の場合は、ホームセンターなどで手に入る野菜用培養土で十分です。

除草

  • マルチをしない場合は除草をしっかり行いましょう。

収穫

根の直径が3~4 cmになったら収穫を開始し、7 cmくらいまでに収穫を完了します。収穫が遅くなると硬くなり食味が低下してしまいます。

監修者情報

坂さん OAT研究員

徳島県鳴門市生まれ
京都工芸繊維大学繊維学部高分子学科 卒業
大塚化学(株)に入社し、技術部農肥技術課、栽培研究センター研究員、四国出張所所長を歴任。
現在はOATアグリオ(株)研究開発部 肥料・BSグループリーダーとして活躍中
主な業務は肥料やバイオスティミュラント(BS)資材の新製品開発
趣味は釣りひとすじ

三好さん OAT研究員

香川県東かがわ市生まれ
新潟大学大学院自然科学研究科 修了
大塚化学(株)に入社し、肥料開発や栽培技術開発に従事
その後、同社鳴門研究所安全性研究室 研究員や(株)養液土耕研究所 代表取締役社長などを歴任
現在はOATアグリオ(株)栽培研究センターのセンター長として活躍中
趣味は釣りとゴルフ

よくある質問

  • Q

    虫対策は何を行ったらいいですか?

    ビーツは病害虫に強い野菜ですので、基本的にはあまり心配しなくても大丈夫です。不安な場合は播種後に防虫ネットを使ってトンネルを作り、害虫の侵入を防ぎましょう。

  • Q

    栽培を開始するのに適した時期はいつですか。

    暑さが苦手ですので、春と秋がオススメです。病害虫の発生や生育が不安でしたら、生育期間が涼しくなる秋に栽培をスタートさせましょう。

出やすい病気

更新日時: 2024/03/22
育て方