タマネギ(秋植え)

苗を作って定植することもできますが、ホームセンターで売られている苗を定植すると簡単に育てることができます。本州の栽培では冬を越すので、最初のうちはあまり生育しませんが、春以降一気に大きくなり、球が大きくなるところは見ていても壮観です。
大きく分けて早生(わせ)品種、中生(なかて)品種、晩生(おくて)品種があり、早生品種は4月頃に収穫でき、水分も多いのでサラダなどで食べるとおいしくいただけます。晩生品種は保存性がよく、6月頃に収穫すると長期間の保存が可能です。
加熱すると甘くなり、様々な料理に使うことができる使い勝手のよいお野菜です。

難易度

基本情報

科名属名
ヒガンバナ科ネギ属
収穫までの期間
6~7カ月
生育適温
10~25℃
植え付け時期
10月上旬~11月中旬
栽培スペース
プランターの場合は株間12〜15cm、露地の場合は株間15㎝
水やり
乾き気味
たっぷり水やり
栽培暦

準備と植え付け

準備するもの

苗の準備と植え付け

植え付け時期 10月下旬~11月上旬(早生中手品種)、11月中旬(晩生品種)
  • 01

    植え付け

    苗は50~100株程度まとめられて販売されています。あまり大きすぎる苗は抽だい(ネギ坊主が立ちます)してしまうので、植え付け時の苗は鉛筆よりやや細めが最適でしょう。

  • 02

    植え付け〈プランター栽培の場合〉

    プランターに鉢底石を入れて、野菜用の培養土を8分目くらいまで入れます。
    移植ゴテで苗と同じくらいのサイズの穴を掘り、苗をやさしく入れ、すき間を培養土で埋めます。最後に底から水が出るくらいにたっぷり水やりをします。株間は12~15㎝程度がよいでしょう。
    風通しがよく、日の当たる場所に置きましょう。

  • 03

    植え付け〈露地栽培の場合〉

    植え付けの2週間以上前に苦土石灰をまき、よく耕しておきます。植え付けの1週間前には堆肥2kg/m²やパラっと有機元気野菜100g/m²をまきます。定植前によく耕し、を立て、タマネギ専用の黒マルチを張り、マルチの穴に定植します。
    ※マルチについてまとめたコラムを掲載しています(タマネギ栽培でのマルチについて)。よろしければ参考にしてください。

栽培

  • 01
    水やり

    土の表面が乾いたら、1日1回を目安に、底から水が出るくらいたっぷり株元に水やりします。

  • 02
    追肥

    定植から25日ほど経過したら、苗が活着し生育を始めるので、追肥をあたえます。プランター、露地いずれも50g/m²のパラっと有機元気野菜施肥​します。あと、早春(2月頃)に同様に追肥します。収穫前に施肥をしてしまうと、保存性の悪いタマネギができてしまいます。

タマネギ(秋植え)の栽培の様子は、以下のページに掲載しています。

栽培の際の注意点

害虫

  • 春になるとネギアザミウマが発生します。大発生しない限り防除の必要はないでしょう。もし大発生してしまった場合は登録のある薬剤を散布しましょう。

病気

  • 春になり、雨が降るとべと病が発生します。前年のべと病が発生した圃場では多発します。気温が上がり始めて、雨天が予想される前には事前に登録がある薬剤を散布しましょう。
    ※べと病の対策についてまとめたコラムを掲載しています(タマネギのべと病を回避するには)。よろしければ参考にしてください。

収穫

球が十分肥大して、8割程度の株が倒伏したところで収穫します。収穫後雨の当たらないところで2~3日乾燥させたあとで保存します。

監修者情報

坂さん OAT研究員

徳島県鳴門市生まれ
京都工芸繊維大学繊維学部高分子学科 卒業
大塚化学(株)に入社し、技術部農肥技術課、栽培研究センター研究員、四国出張所所長を歴任。
現在はOATアグリオ(株)研究開発部 肥料・BSグループリーダーとして活躍中
主な業務は肥料やバイオスティミュラント(BS)資材の新製品開発
趣味は釣りひとすじ

三好さん OAT研究員

香川県東かがわ市生まれ
新潟大学大学院自然科学研究科 修了
大塚化学(株)に入社し、肥料開発や栽培技術開発に従事
その後、同社鳴門研究所安全性研究室 研究員や(株)養液土耕研究所 代表取締役社長などを歴任
現在はOATアグリオ(株)栽培研究センターのセンター長として活躍中
趣味は釣りとゴルフ

よくある質問

  • Q

    追肥のタイミングを教えてください。

    タマネギは栽培期間が長いため、追肥がとても重要になってきます。​
    肥料成分が足りないと大きく育ちませんし、収穫直前に追肥をしてしまうと、保存性が悪くなってしまいます。​
    定植後3回程度の追肥をしますが、最後の追肥は品種に関わらず、収穫の2カ月より前がオススメです。​
    早生品種では4~5月の収穫なので2~3月上旬ぐらいまで、晩生品種では6月の収穫になりますので、4月上旬ぐらいまでが目安です。​

  • Q

    収穫直前にトウ立ち抽だい)してしまいます。​

    苗が大きすぎることが原因です。生長しすぎた苗が低温にさらされるとトウ立ちしてしまいます。​
    早すぎる植え付けはしないこと、大きすぎる苗は植え付けないこと、元肥をあたえすぎないことを守るようにしましょう。​
    茎の太さが8mm程度(鉛筆ぐらいの太さ)の苗が植え付けには理想的です。​

  • Q

    種をまいても芽が出ません。​

    種が古い可能性があります。​
    タマネギの種は寿命が短く、冷暗所においていても1年程度しか持ちません。​
    購入後は速やかに種をまきましょう。​

出やすい病気

更新日時: 2024/09/13
育て方